Hasselblad X2D 100CのRaw現像をWindows環境下のCapture Oneで行う最速ワークフロー
はじめに
ということでいろいろ書いてきましたが、どーも今までのワークフローでは一晩変換にかかったり実用的でないことがわかりました(汗)。それで安定した現像環境を整理して自分の覚書みたいにしておきますのでご参考になればと思います。
Phocusの問題点
Phocus(Ph)はメリットとして、輝度・コントラスト。各種補正ができることですし、なによりレンズ補正が純正でできるのがいいです。これを使ってCapture One(C1)でレタッチする場合はTiffファイルで保存してください。補正の内容が反映されるうえC1で基本特性がHasselblad RGBが使えます。
ただし、大きな問題が一つ。Phは画像のキャッシュがいまいちなのでブラウジングにめちゃくちゃ時間がかかってストレスマックスですw。ですのでAdobe Bridgeなどでjpegを参照しながら、必要なファイルだけ読み込んでfffファイルに変換後、補正してTiff保存しC1に渡すことになります。ただTiffファイルの変換はDNGの1.5倍くらい時間がかかるのとTiffファイルが圧縮がかからないのででかくてHDDを圧迫します。まあ、初めからPS/LRのCameraRawでやれば手っ取り早いんですがwww
で、Phを経由せずC1に最も早く移行する方法を考えてみました
マシンスペック
まずはマイPCのスペックです
プロセッサ 12th Gen Intel(R) Core(TM) i9-12900K 3.20 GHz
実装 RAM 64.0 GB (63.7 GB 使用可能)
システムの種類 64 ビット オペレーティング システム、x64 ベース プロセッサ
OS:Windows 11 Pro
HDDはHasselblad購入前に追加でこちらを足しました
必要なソフトウェア
Chat GPTとも相談したのですがw、次の条件だとExif ToolとExif Pilotを勧められましたw。
DNGファイルのExifでCAMERA >MAKEが書き換えられる
バッチ処理ができる
GUIが使える
Exif ToolとExif Pilot
Exif Tool自体は無料ソフトなのですが、実はGUI化するExif Pilotは有料の上そこそこ高い(約15000円)です(泣)。まあ、以前使っていたPhotos Exif Editorは処理速度がいまいちだったのと、購入サイトで自動サブスクが記載なかったので?になったので、さっさとやめてしまいました。まあ、こちらは買取ですので安心して使えますし早いです。
WindowsのGUIはこちらで購入できます。X2D 100CのRAWは120MB/枚くらいあるので64bit版ですね
Exif Pilot 6.25.1, x64 bit (4.9 Mb) – this version is recommended for exif-processing of large image files (>100 Mb).
Adobe DNG コンバーター
さてExifの書き換えの前にX2D 100CのRawファイル(3FR)をDNGにコンバートする必要があります。流石に本家のソフトだけあって3FRをサポートしているのと速度が1.5倍から2倍速いです。リンクはこちら
実際のワークフロー
1)変換する3FRファイルを作業用ディスクにコピー(ちなみにCFeから読み込んだ画像データは別のディスクに保存してある前提です)
(注)一連の処理は3FRファイルを作業ディスクにコピーして処理することを推薦します。というのも、変換はCPUパワーはそれほど酷使しませんがディスクパフォーマンスはほぼフルで使いますので他のタスクを入れると変換効率が悪化します。ですのでちょっと面倒ですが作業ディスクに作業用フォルダをつくりそこに、3FRファイルをコピーしてからが最速です。コピーが終われば他の作業(作業ディスクにアクセスが必要のないタスク)が可能です。コピーの迅速化はFastCopyがおすすめです。
2)Adobe DNG Converter(ADC)を起動し別のフォルダ(例えば「DNG」とかにしましょう)にdngフォルダに変換。ちなみにPhでも変換できますが変換速度が遅いのとdngファイルはPhの編集内容は反映されません。
3)Exif Pilotを起動し、DNGのフォルダを選択します。この段階でExif Pilotはdngファイル名を認識すると同時にEXIFの内容を読み込みだします。これがかなり時間がかかるんですよね。このときハングアップしてないか心配でw、ソフトをクリックすると簡単にホワイトアウト(白っぽくなって「終了しますか?」のメッセージが出る)します。まあ、ほっておけばそのまま処理は進みますが、じゃあどのタイミング終了するか確認したい方いらっしゃいますよね?www。そういう場合はCNTRL+ALT+DELでタスクマネージャーを起動してください。タスクマネージャーが立ち上がったらパフォーマンスをクリック。その項目で作業用ディスクの項目をクリックしてください。処理中はほぼ100%近く稼働しています。処理が終わるとほぼ0%に戻ります。このチェックをかけるためにも作業ディスクを分けると便利です。このチェックの方法は画像ファイルのEXIFの書き換えが終わったかどうかのチェックにも使えます。
4)ファイル名の一覧が出たらスタートするファイルをクリックしてからshiftキーを押しながら最後のファイルをクリックし選択。右下に選択したファイル数が示されます。
5)右下のEdit EXIF/IPTC/XMPをクリックしCamera Manufacturerの項目でHasselbladの最後のdを消す(Hasselblad以外ならなんでもいいですがw)
6)OKボタンを押すと書き換えが始まります。かなり時間がかかりますので、その間他のディスクのRAW現像やネットサーフィンをして待ちましょうw。注意は作業中は作業ディスクに極力アクセスしないのとExif Pilotの画面を迂闊に触らないこと(ホワイトアウトしますがまあ作業はすすみますw)。経過を見たい場合はタスクマネージャーを起動してください。
7)DNGファイルが変換出来たら編集作業ディスクに移動させます。僕は保存用ディスクに戻しています。
8)C1を立ち上げて読めるかどうかを確認します
このパターンが最速でC1に移行できます。
C1では基本特性のリスト項目のプロファイルから「その他」を選ぶとHasselblad RGBかHasselblad LStarRGBが選択できるようになります。なお基本特性の違いを再掲しておきます
カラープロファイルで「Hasselblad RGB」と「Hasselblad L*Star RGB」が使用できます。この違いは次の通りです。
『Capture Oneの基本特性設定における「Hasselblad RGB」と「Hasselblad L*Star RGB」は、カラープロファイルの違いに関連しています。これらは主に色空間や色処理の方法に違いがあります。それぞれのプロファイルの違いについて説明します。
1. **Hasselblad RGB**
- **概要**: Hasselblad RGBは、HasselbladのカメラやPhocusソフトウェアと連携して設計された標準的なカラープロファイルです。このプロファイルは、Hasselbladのセンサーに最適化されており、色の再現性が高く、特に忠実な色表現を目指しています。
- **特徴**:
- **カラーレンダリング**: 鮮やかな色彩を得意とし、特にシャドウやハイライトの階調表現に優れています。
- **用途**: ポートレート、風景、製品撮影など、多くのシーンにおいて自然で豊かな色表現が求められる場合に適しています。
2. **Hasselblad L*Star RGB**
- **概要**: Hasselblad L*Star RGBは、L*(Labカラー空間の明度軸)を基にした色空間プロファイルです。L*Starは、従来の線形RGBプロファイルとは異なり、**人間の視覚に基づく明るさの知覚**に合わせたトーンカーブを使用しています。これにより、特に暗部から中間調にかけての階調が滑らかになります。
- **特徴**:
- **カラーレンダリング**: より自然な明るさと階調表現が可能で、目で見た時の自然な明度に近い結果を得やすいです。シャドウからハイライトまでのトーンが均一に感じられることが多いです。
- **用途**: 微妙な明度変化や高い階調性を必要とするシーンに適しており、特にアート作品や細かいディテールが重要な画像の処理に適しています。
### 主な違い
- **色空間とトーンカーブ**:
- **Hasselblad RGB**は、一般的なRGBカラースペースを使用し、Hasselbladカメラで取得されたデータを忠実に再現することに重点を置いています。色彩は鮮やかで、トーンカーブは標準的なRGBワークフローに適しています。
- **Hasselblad L*Star RGB**は、L*色空間に基づくトーンカーブを使用しており、特に明度の再現が人間の視覚に近い形で表現されます。これにより、シャドウや微妙な階調が滑らかに描写されます。
適切な選択の指針
- **Hasselblad RGB**: 鮮やかな色彩と明瞭なコントラストを重視したい場合や、一般的なシーンに対応したい場合に適しています。
- **Hasselblad L*Star RGB**: 階調の滑らかさや、特に微妙な明度変化を自然に表現したい場合に有効です。特に印刷や高精細な出力を念頭に置いた作品に適しています。どちらのプロファイルも、HasselbladのRAWデータに対して最適化されていますが、目的に応じてどちらを選ぶか決定することが大切です。』
また、オリジナルに近いのはカーブのリスト項目をDNG StandardにするとJpeg出力に近いです。彩度とコントラストが高い画ならカーブでFilm StandardがKodakっぽく面白いです。あとアンダー気味にしてしまうとこてこての色になるので注意が必要ですw
ということでスムーズなC1への移行をまとめてみました。参考になれば幸いです。