JWOで新たなアマゾン経済圏の構築へ
アマゾンゴーで実装されているスキャンなし/レジなしのJWO(Just Walk Out)テクノロジーをアマゾンが市販することが分かったのが一昨日のことだが、利用する企業がすでに現れた。
空港内で店舗を展開しているOTG社で、1店舗目はニューアーク空港内のCIBO Expressでオープンは3/16となっている。
OTG社とは昨年9月の時点で協議しているという情報が流れていて、その他には映画館や、野球スタジアム内のコンセと話し合っているという情報も出ていたので、これから導入する企業は増えてきそうな感じとなっている。
私は当初、この技術を利用する企業としてチェーンストアを想定していたので、競合している企業がそうそう使わないだろうと考えていた。
しかし我々がイメージするような有名チェーンストア以外にも、この技術に興味を持つ企業はたくさんいそうだということがOTG社による導入で分かった。
それと、おそらく相当安く出しているのだろうなと言うことも分かる。
空港内のテナント企業が導入に100万ドル超えるような技術を導入するとは考えづらいのだ。
アマゾンはここでもアマゾン経済圏を作ろうとしているのだろう。
アマゾンはずっと、自前で何かを作り、それを外部に売って、その企業を緩く取り込んで経済圏を作るということを繰り返してきている。
・自前のECサイトを構築し、ここをサードパーティ向けに開放してマーケットプレイスを作った。
・次に自前のクラウドサーバーを構築し、これを安く外部に開放してAWSを作った。
・次に自前のフルフィルメント(センターからラストマイルまで)を構築し、これを安く外部に解放してFBAを作った。
・そして自前のJWOを構築し、これを外部に売り始め、スキャンなし/レジなしという店舗環境の新たな経済圏を作り始めた。JWO経済圏とここでは命名しておこう。
これがアマゾンのビジネスモデル、または彼らのビジネス思考なのである。
JWOがまさかそうなのかとは思いもよらず、しかし今回のOTG社との契約でJWOもその武器なのだということを思い知り、恐ろしい企業だなと改めて実感したのだった。