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初めてのコミケ、初めてのサークル参加、初めての同人誌制作
コミックマーケット 105 にサークル参加し、二次創作漫画を頒布しました。コミケへの参加、個人でのサークル参加、及び個人誌の制作が人生初だったので、記憶が色褪せないうちに、やったこと、感じたことなどの記録をしたためておきます。
iPad & Procreate で漫画を制作した話、サークル参加の準備の話、コミケ当日の話などを順番に、時系列に沿って、つらつらと書き連ねていきます。
経緯
自分が同人誌の文化に本格的に触れたのは2023年3月のことでした。2022年冬にぼっち・ざ・ろっく!の沼にハマり、熱量に任せてSSをpixivに投稿し、気づけば翌年の同人誌即売会に一般参加していました。これが自分の人生初の同人イベント参加でした。いつもSNSで見ていた方々の作品を手に取り、直接お礼を言って回ることができ、とても楽しかったのを覚えています。
その後ご縁があって、ゲスト原稿や合同誌への寄稿という形で同人イベントに参加させていただく機会がありました。合同誌ではサークル参加のお手伝いもさせていただき、ここで培われた知識のおかげでサークル参加の敷居が下がりました。貴重な経験をさせていただき、お声がけくださった方々には感謝しています。
自分は文字もイラストも描く人間ですが、本格的な漫画というものは描いたことがありませんでした (小学生の時に自由帳に描いていたくらいです)。人生で一度は同人誌を作ってみたいな、一度は熱量を漫画で表現してみたいな、とぼんやり考えていたところ、SNS のタイムラインで見知った方々の冬コミ参加宣言をいくつか見かけ、ちょうど他の原稿も落ち着いていた頃合いだったこともあり、思い切って参加することにしました。
コミケに申し込む
申し込むのは勢いで何とかなりました。公式ページに様々な情報が出ているので、一通り読んでおくと良さそうです。C105 の申し込み締め切りは 2024/08/19 でした。コミケはイベント時期に対して締め切りがかなり早いです。
申し込みは Circle.ms 経由で行いました。
サクカについてはどうするか悩みましたが、カプだけは決まっていたので描きました。X で得た情報によると連絡先は入れたことが良いとのことだったのでX のアカウント名を添えました (Circle.ms 内の注意書きでも推奨されています) 。サークル名は推しカプへの祈りを込めるという気持ちで「いのりざかな」としました。「さかな」はよくお世話になっている合同誌のサークルさんのお名前が魚類モチーフなのでリスペクトです。
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頒布予定の本や部数を入力する欄がありますが、飽くまで予定で良いらしいです。実際、自分は部数も内容もやや異なる結果になりましたが、何とかなりました。
配置担当スタッフ一言コーナーを一読すると良いらしいので読んでみたところ、ジャンルコードは間違えがちらしいので、よく調べて入力しました。
あとは当落を待ちます。申し込んだのは 8/18、当落が出たのは11月上旬でした。当選していることを祈りながら原稿作業を開始します。
当選しても、たとえば前日搬入を行いたい場合などは別途締切日までに申請が必要なので、当選後にどんな申請があるのか、締切はいつなのか、一通り確認しておいた方が良いです。ここら辺はコミケットアピールに書いてあると思います。
同人誌を描く
印刷所を決める
同人誌を描くと言っても、そもそも漫画も描いたことすら無く何をすれば良いかわかりません。当時の自分のイラスト制作環境は以下の通りです。最後までこの環境で描き上げました。
デバイス: 13インチ iPad Pro (M4) & Apple Pencil Pro
ペイントソフト: Procreate
ゲスト原稿でイラストを寄稿させていただいた際に、印刷所さんごとにテンプレートがあることは知っていたので、とりあえず印刷所さんを決めるところから始めました。
自分が調べた範囲だと、Procreate での原稿作成を丁寧に解説してくださっているのは緑陽社様だったので、この一点のみで緑陽社様を利用することに決めました。
緑陽社様は Procreate に限らず各種ペイントツールでの原稿作成マニュアルを掲載してくださっており、安心感があります。
実は割とお高めであるということは後から知ったのですが、自分は早割と余部サービスを利用させていただいたので最終的には気になりませんでした (後述)。
ざっくりとした予定を立てる
次に予定を決めます。
冬コミへの参加を決めて申し込みを行なったのが2024/08/18。冬コミの日程が2024/12/29,30です。申し込み時点では印刷所さんの冬コミ向けの〆切が出ていませんでしたが、過去の冬コミ (C103) の〆切ページがあったのでそちらを参考にします。
初の同人誌制作で何が起こるかわかりませんし、余裕を持って30%オフの締め切りを狙っておきます。C103 では 12/8 が早割30%オフだったので、12月頭くらいを締め切りとして考えました。
ちなみに、実際には12/7でした (掲示されたのは10月中旬でした)。
上記を踏まえて、8, 9月中にネームを終わらせて、10, 11月いっぱい使って描き上げればいけるかな〜と、なんとなく考えてました。が、当然のことながらそう上手く事は運ばず、最終的には早割20%ギリギリで入稿することになりました。
ネームを描く
ネームは描き慣れたペンでガシガシ描きました。全ての工程の中でここが一番難しかったです。漫画って難しい!当初は「もし時間が足りなくなっても途中で切って最低限の本が出せるように、数ページの話を詰め込んだ短編集にしよう」と考えていたのですが、うまく話がまとまらず、最初の話が膨らみに膨らんだ結果、最終的には単話で20Pの本になりました。コマ割りや展開が思いつかずに悩み、9月中にどうしてもネームが終わらず、10月まで足が出て、結末は決まってないけどとりあえず下書きを始めないとやばい!ということで10月上旬から下書きに入り、やっと線画に移ったのは10月下旬。その時点でもまだラストは決まっていませんでした。
後からネーム中に気づいたことですが、ページ数が少ない場合は印刷所さんの最低ページ数を確認しておいた方が良いです。緑陽社様は本文16ページが最低ラインだったので、自分はそれに途中で気づき2ページほど追加しました。そもそもページ数が少なすぎるのですが.......。
ネームの進め方についてですが、Procreate にはページアシストというコミック向けの機能があります。レイヤーを作るとそれがページとして認識され、画面下部をスクロールして簡単にページ送りができます。レイヤーをグループ化すればページあたり複数レイヤーを利用することもできます。
ただし、これは1枚のキャンバスに全ページを収める前提の機能のようです。Procreate はキャンバスあたりのレイヤー数の上限があります。これは端末の性能やキャンバスの解像度及びサイズに依るようです。自分の環境の場合、350 dpi かつ 154x216mm だと162枚が限界でした。
自分はレイヤーをかなり分ける性質ですし、Procreate はセリフとして入力した文字も統合しない限りは1レイヤーとして数えられます。本文16ページだとしても1ページ約10レイヤーしか使えず、このレイヤー数だと残念ながら本格的な原稿作業には利用できそうにありません。が、ネーム程度であればこのレイヤー数で十分そうです。ページ送りが簡単にできるとページ前後のテンポの確認がしやすく便利です。ページ間の入れ替えや追加/削除もレイヤー操作がそのまま反映されるので簡単です。
似たようなページ送りの機能としてはプレビューがあります。原稿一覧画面で原稿をピンチアウトするとプレビューでき、そのまま左右にスワイプすると左右にある原稿をそのままプレビューできます。原稿用のグループを作っておいて、原稿をページ順に並べておけばこの機能で擬似的にページ送りができます。完成原稿はこの機能で雰囲気を確認しました (CLIP STUDIO を使えばもっと簡単なのでは... という意見には目を瞑ることにします...)。
浅い知識で視線誘導もなんとなく考えながらコマ割りを考えました。コマは3段くらいが主流らしいのですが、原稿当時自分がブラックジャックにハマっていたので4段がベースになりました。
ブラックジャック全巻セットを買いました
— tsw (@tsw74194938) July 5, 2024
ハッスルピノコの回で苦しくなった pic.twitter.com/tIOSxdDlQG
キャンバスを用意する (画像解像度/カラープロファイル)
ネームがある程度進んだら、下書きのために原稿用のキャンバスを用意します。
画像解像度とカラープロファイルは緑陽社様のサイトの解説通りに設定すれば大丈夫でした。印刷の場合は CMYK が良いという噂を聞き、カラープロファイルは CMYK にしました。
指定通り JapanColor2011Coated にしたいですが、自分でダウンロードして追加する必要があります。下記からダウンロードし、Procreate のヘルプに従って追加します。
と、今回は CMYK にしたのですが、実は緑陽社様は RGB 入稿も受け付けてくださるようです。というか、そもそも最近の印刷所はRGBが基本の所が多いらしいです。最初に印刷所様のサイトを確認すると良いと思います。
キャンバスが用意できたらテンプレートをレイヤーの最下層に追加して、いよいよ本格的な原稿作業に移っていきます。
ペンを用意する
下書きは描き慣れたペンで行いました。ネームも時間がかかりましたが、下書きはネームの雑な絵をある程度しっかり整えなければいけず、二番目に時間がかかりました。構図について、ああでもないこうでもないと何度も書き直すことを繰り返します。キャラや小物がうまく描けなかったりして、この頃は公式アニメガイドブックが常に傍にありました。
下書きの後の線画は新しく用意したペンで行いました。色々あって線画の開始が10月下旬になってしまいましたが、ネームや下書きと違って考えることが少ないので、作業時間自体は短かったです。
線画は2値ペンを利用した方が良いとの噂を見かけたので下記の2値ペンを利用しました。.8 を通常の線画、.5 を細い部分と使い分けました。が、実際には好きなペンでもそんなに問題はないようです。
枠線はこちらを参考にカスタムブラシを作成して利用しました。
パレットを用意する
線画も大体終わって塗りに入ったのは11月中旬でした。ただしこの時点でもラスト数ページの展開が決まっておらず泡を吹いていましたが、最終的には天から展開が降りてきて事なきを得ました。
スクリーントーンを使った方が漫画っぽくなる気もしましたが、何をどうすれば良いかよくわからなかったので、今回は下記のグレースケールパレットを利用しました。
どれをどう使うべきかについては下記のサイトが非常に参考になりました。
自分の場合、実際の使い分けは以下のようになりました。
ぼっちの髪/ジャージ: 10% (カゲ: 20%)
喜多ちゃんの髪/リボン/スカート: 30% (カゲ: 40%)
リョウ先輩の髪: 50%
その他カゲ: 10%
雰囲気はサンプルを参考にしていただければと思います。
セリフを入れる
今回はセリフを入れるのも Procreate で行いました。一つのソフト内で全て完結した方が後からの微調整が効いて便利です。
Procreate は任意のフォントを読み込めます。今回は「やさしさアンチック」というフリーフォントを読み込んで利用しました。
埋め込んだセリフはセリフの枠外の任意の場所をドラッグして移動できます。自分は枠内の文字部分をドラッグしなければいけないと勘違いして無駄な時間を過ごしました。
フォントサイズについては諸説あるようですが、今回は全体的に内枠に収まっていてコマが小さめなのもあり、 A5 原稿に対し 9pt にしました。印刷物を見ても十分読めるサイズになったと思います。
複数行になる場合はベースラインを文字サイズと同じ 9pt に設定して行間を調整しました。
表紙原稿を用意する
仕上げも含めて本文が完全に終わったのは12/9でした。この時点で予定していた早割30%の〆切である12/7を超えていました......。その後、表紙は約2日で書き上げて、最終的には12/12 に入稿しました。当時早割20%に間に合わせるとポスターが無料のキャンペーンがあったので、間に合わせることができてよかったです。
表紙について、本文原稿との違いは解像度です。カラー表紙は 350dpi が推奨なので、間違えないようにします。
緑陽社様の表紙のテンプレートは裏表紙とセットになっています。背幅は本文ページ数等によって変わるので、キャンバスサイズは自分で上手いこと調整しなければなりません。
ミリ単位の調整のためには描画ガイドを利用しました。「描画ガイドを編集」の機能を利用するとミリ単位のマス目が作れます。
計算したところ、本来はヨコが 302+1.45=303.45mm が望ましかったのですが、Procreate のキャンバスサイズは0.1ミリ単位で指定できないので 304mm で作成しました。そのようにした旨と、「余剰分は中央で必要なサイズを切り出し印刷して欲しい」旨を発注時の備考欄に記載したところ、問題なく納品&印刷できました。
ポスター原稿を用意する
サークル参加するならポスターはあった方が良いとよく聞きます。実際、会場ではポスターが目に止まって作品を手に取ってくださった方もいらっしゃったようなので、効果はあったかなと思っています。
緑陽社様の大判ポスターのテンプレートは以下にあります。解像度は指定がなくサイズ指定のみですが、カラーなので 350 dpi にしました。
ポスターのサイズはB2かA2かで悩みましたが、配置が島中かつ下記サイトで A2 が推奨されていたこと、コミケ経験者の方に聞いてみてもA2の大きさが一般的とアドバイスをいただけたことなどから、A2サイズにしました。
内容は A5 用に作成した表紙をほぼそのまま引き延ばして再利用しました。このような表紙の流用はやられる方も多いようで「まじまじと見るものではないので多少荒れていても問題ない」との意見を事前に見かけていたのですが、実物を前にすると、近くで見てもほぼ気にならないレベルでした (個人の感想です)。
設営時の写真が以下となります。
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入稿する
緑陽社様のサイトに入稿時のチェックリストがあるので、しっかりと確認します。特にカラープロファイルと解像度は何度も繰り返し確認しました。内容についても目に穴が開くくらい確認したはずなのですが、それでも印刷後に一部ミスが見つかりました。どうして…………。
自分は今回早割 20% OFF とポスター無料キャンペーン、そして余部サービスを利用しました。余部サービスを利用すると 100 部以上印刷の時になんと 40 部無料で追加できます。早割とこちらの余部サービスを組み合わせると単価を下げられるのでおすすめです。
部数についてはギリギリまで悩みましたが、聞くところによると、これは経験者でも予測するのが難しいらしいです。気持ち多めの部数を刷って、余ったら委託に回して、活動を続けていく中でじわじわと完売まで持っていく、くらいの気持ちが良いのかもしれません。
納品方法について、緑陽社様の場合コミケでは基本的に紙梱包になるようでした。今回は全て会場への直接搬入とし、残部をコミケ会場にてそのままメロブさんに委託しようと考えていたので、ダンボールにしていただくよう備考欄に記入したところ、無事ダンボールで直接搬入されました。が、よく考えたらメロブさんのスペースでダンボールをいただけたかもしれません。
直接搬入だったので無事届いているか当日までドキドキでした。コミックマーケットにはサークル前日搬入があり、申請すると開催前日にサークル受付と搬入の確認が行えます。こちらは事前の申請が必要なので、締め切りに注意する必要があります。自分は見逃していたので当日確認することになりました......。が、問題なくてよかったです。
12月下旬に見本誌が自宅に届き、このタイミングで人生初めての自分の同人誌を手にすることになりました。ちゃんと本になっていて感動して、何回も読み返しました。
見本誌が届きました📕 pic.twitter.com/PivUhPAJhC
— tsw (@tsw74194938) December 21, 2024
サークル参加に必要なものを用意する
入稿後は清々しい気分でひたすら自由な時間を楽しみましたが、楽しみすぎていつの間にか一週間以上過ぎていました。個人でのサークル参加が初めてなので色々と必要だろうけど、まあ一週間もあればなんとかなるだろう…… と思っていたら、思った以上にバタバタしたので、やはり何事も余裕を持って行動するのが正しいです。それはそうです。
そろそろ準備進めるかあ、と重い腰をあげたのが 12/22くらい。コミケ開催のちょうど一週間前でした (遅すぎる)。まずはサークル参加のための準備リストを作ります。今回作ったものは以下です。
見本誌票&サークルチケット
ポスタースタンド
敷き布
値札
本立て
お釣りトレー
養生テープ
ハサミ
文房具 (マジック, ボールペン)
ゴミ袋
小銭&コインケース
会計用のボックス
この中で余裕を持って準備した方が良いなと反省したのは、ポスタースタンド、敷き布、小銭です。
また、新規に購入するものがある場合は経費にするためにレシートを取っておいた方が良いです。自分は気付くのが遅れて何枚か捨ててしまいました……。
ポスタースタンド
ポスタースタンドなんて Amazon で頼んで二、三日で届くでしょ!という考えが甘かったです。同人イベントに持ち込む場合は必然的に持ち運びが必要なのでコンパクトに折りたためるものが望ましいですが、コンパクトに折りたたむことができて、且つ二、三日で届くポスタースタンドというのは当時の自分には見つけられませんでした……。
いざとなったら実店舗があるかとも思ったのですが、実店舗にそのような商品が置いてあるという情報は得ることができず、よく考えたら需要も限定的だしそりゃそうか…… と反省しました。
結局、Amazon である程度小さくできる下記のポスタースタンドを購入しました。こちらの商品はお安い上にすぐに届く点は良いのですが、薄いポスターだと輪っかの部分にうまくはめることができません。また、ポスターが丸まってしまう問題もあります。
そこで、ちょっとした改造を加えました。5mm サイズのアクリル透明バーと5mmパイプ用のパイプクリップ、アクリルカッター、両面テープを購入し、
以下のような棒を作り、ポスタースタンドに両面テープで貼り付けることにしました。アクリルカッターを使うのは初めてでしたが、表面に傷をつけていき、ある程度のところで力を加えると綺麗にパキッと折れました。両面テープが強力なおかげで安定性は申し分なく、また、クリップによってポスターもしっかり固定することができました。
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上記の商品は全てシモジマ浅草橋店さんで購入しました。というか、こちらの店舗を見て回っている時にこの方法を思いつきました。シモジマさんにはポスタースタンドが売っているとのことで本来はそれが目当てだったのですが、売られている大型のポスタースタンドは折り畳めないものしかなく、上記の方法で凌ぐことになりました。
何はともあれ、本来であれば余裕を持ってポスタースタンドを用意した方が良いはずです。調べたところ、ClamPo や PO.SU.TA などが良さそうでした。冬コミのような大きなイベントがある場合、余裕を持って注文しないと間に合わないので注意が必要です。
敷き布
ネットで調べたところによると、布はオカダヤさんで購入可能とのことだったので、今回はオカダヤ新宿本店さんに向かいました。が、新宿の場合は布が売っている場所は別で、すぐ近くにある新宿アルタ生地館に向かう必要がありました。
同人イベントの1スペースのサイズは大体 90x45cm らしいので、仕上がりは 90x120cm になると良さそうです。ただし、切った側面を縫って整えたい場合は追加である程度の余裕が必要です。
オカダヤさんは棚に布が並んでおり、そこから好きな布を持っていってカウンターで裁断してもらうスタイルでした。布の種類ごとに幅が決まっているようで、「その幅x自分の好きなサイズ」を購入できます。今回は 120cm 幅の好みの布がどうしても見つからなかったので 150cm 幅の商品にして、切り出してもらうサイズは余裕を持って 110cm にしました。色はスペースを明るい雰囲気にしたかったのでベージュにしました。
無事購入はできたのですが、裁断された箇所はほつれていたり、そもそも真っ直ぐになっていなかったりします。どうにかしたいと考えましたが、家にミシンはないので、試しに近所の洋服直しをやっている店舗に持ち込んでみたところ、なんと対応していただけました (テーブルクロスとして扱っていただけました)。店員さんがとても優しい方で助かりました…… 店頭でご相談して、切れた面が若干斜めになっているのを整えていただくのと、三つ折りにして縫っていただくのをお願いしました。
絶対やっていただけるとは限らないため、まずは相談してみると良いかもしれません。また、自分は運良く数日で対応していただけましたが、混んでいると順番待ちで時間がかかる可能性があります。
最終的に仕上がった布はおおよそ 100x150cm になりました。仕上がりの目安より大きいですが、余った分は内側に丸めて養生テープで机に固定すれば問題なかったです。
値札
値札はいつの日か SNS でバズっていたなんでも値付けプライサーです。銀座の Seria で購入しました。
なんでも値付け!プライサー💴
— 株式会社ポニー (@pony_co_ltd) June 4, 2024
スーパーで見かける値札がおもちゃで登場!
セットになっている台紙をカットして、プライサーにセットしよう!
自分の好きな値段をつけて遊んでね🎵
中の台紙はオリジナルで作ったものを入れてもOK!
こちらの商品はセリア様にて発売です#100均#seria#おままごと pic.twitter.com/xSaeVHpmRG
かわいくて気に入っているのですが、やや倒れやすいので、自分は裏側に別で支えをつけて利用しています。支えは家に転がっていた USB ケーブルのマグネットホルダーです。このためだけに買うのは流石にお勧めしませんが、これをつけるとかなり安定します。
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雑貨類
本立てやお釣り用トレー、コインケース、養生テープなどはシモジマ浅草橋店さんで一通り揃いました。店舗用品のお店なので色々あって、見ているだけで楽しかったです。大きな業務用レジなんかも置いてありました。アイデア次第でスペースで活用できそうなものもちらほらあったのでおすすめです。
本立ては下記を買ったのですが、コンパクトに収納でき、且つかなりしっかりしているのでおすすめです。見本誌を置くのに利用しました。
小銭
お金周りは経験がないのもあり、お釣り用の小銭をどれくらい用意するか?というのは悩みました。自分は今回頒布する本が300円だったので、500円硬貨の支払いに対して200円のお釣りが出る可能性がある… と思い100円をかなり大量に用意しました。2万円分くらい (!)。500円は手元にあった10枚くらい、あとは千円札を10枚と5千円札を1枚用意しました。正直多すぎると思ってはいましたが、大は小を兼ねる精神で挑みました。
蓋を開けてみれば、当日はありがたいことにほとんどの方が100円玉で払ってくださり、100円玉のお釣りはなんと手付かずになりました。一方で、500円や千円札のお釣りは何度か出番がありました。これはイベントにもよるのかもしれません。
余った100円はまたいつかの同人イベントに向けて取っておくことにします。
会計用のボックス
会計時にお金を貯めておくボックスがあるととても便利です。お金を入れるので不透明、かつ蓋をある程度しっかりと閉じられるものを 100 円ショップで選びました。自分が使っているのは以下です。コンパクトであまり机上のスペースを取らない上に、お金を収納する容量としては十分です。
お金を扱うので本当は鍵付きであったりした方が良いのかもしれませんが、今のところはこれで十分かなと思っています。
その他に買ったもの
その他にも100円ショップで色々と買いました。
名札を下げるストラップを用意しました。売り子の方と区別がつかないと問題かなと思ったので、アイコンと名前を印刷した紙を入れました。
ジッパーファイルに文具や雑貨類はほぼ全て詰め込みました。片付けの時もここに突っ込めば良いのでかなり便利でした。
表面がざらざらしたものを買ったのですが、リュックに手を突っ込んだ時に皮膚をすりおろされそうになったので、ツルツルしたものがあればそちらの方がお勧めです……。
ホワイトボードを買っていたのですが、売り子の方が番をしてくださったので、結局出番がありませんでした。一人で参戦する場合には有用かもしれないです。あるいは、売り切れた場合やお釣りが足りない場合などにメッセージを出すことができるかもしれません。
打ち上げの予約をする
お手伝い頂く売り子の方、およびお世話になった方への謝礼も兼ねて、打ち上げを企画することにしました。予約しないでその場で決めるのもありですが、自分はなるべく事前に決めておきたい派です。そうともなれば、考えなければいけないのは場所と時間です。
場所について。浜松町、恵比寿、有楽町、銀座、新橋 あたりを中心にお店を探しました。ゆりかもめで新橋まで行けば浜松町、有楽町、銀座あたりに出られます。埼京線直通のりんかい線を利用すれば恵比寿まで一本です。(と思いきや、当日は混雑しすぎてかなり遠回りをする羽目になりました (後述))
自分は大抵場所をベースに食べログでざっと検索して、雰囲気とメニューが良さげであれば Google マップの評価と合わせて候補の中から絞り込みます。冬コミの時期だとすでにお休みの期間に入っている店もあり、狙ったお店がやっていなかったりして残念でした。
吟味した結果、今回は 庵狐 恵比寿店 さんに決めました。料理と飲み物の種類の多さが決め手でした。
時間について。先駆者の方々の知識を拝借すると、大体 16 時くらいに撤収し、18 時頃から打ち上げを行う場合が多いようです。自分もこの情報を参考に 18 時にお店を予約しました。2時間もあったら時間が余っちゃうんじゃないのかな?と思っていたのですが、想定以上の大混雑でバスも電車もまともに利用できず、結局予約の時間に間に合わず 18 時半に変更することになります (後述)。
その他、コミケ前日までに済ませたこと
各種資料の見直し
コミケットアピールには目を通してありましたが、改めて熟読しておきます。その他コミケット公式サイトから参照できる各種資料にも目を通しておきます。
特に、入場時間と入場方法、サークル配置場所、委託する予定であるメロブさんのブースの場所、サークル受付の場所、お手洗いの場所、その他諸注意全般を確認しておきます。また、資料は当日読み直せるように、印刷するか、データをスマホ/タブレットに入れておきます。
見本誌の準備
サークルチケットともに見本誌票が送られてくるので、事前に必要事項を記入しておきました。手元に印刷会社様から送付された見本誌もあったので、記入した見本誌票をそちらに貼り付け、当日はすぐに見本誌を提出できるようにしておくとスムーズでした。
メロンブックスのサークル登録
当日の残部をメロンブックスさんで委託する予定でした。親切なフォロワーの方に「コミケ会場でメロブさんブースに行けばOK」「サークルアカウントだけでも事前に作っておくと良いかも」とアドバイスをいただいたので、その通りにしました。右も左もわからなかったのでありがたいアドバイスでした🙏
サークルアカウントの登録は以下からできます。連絡先用メールアドレスとアカウント用メールアドレスが必要で、後者はサークル間で使い回しができないようです。自分はサークル専用の Google アカウントを取得して、そのメールアドレスをアカウント用メールアドレスとして登録しました。
コミケ当日!
入場まで
前日までになんとか諸々の準備を終えて、ついにコミケ当日を迎えます。サークル入場が 8:00-9:30 でしたが、初参加で何があるかわからないので、余裕を持って 8:00 に入場できるように出発します。
自分は東京ビッグサイト周辺の土地勘がなかったので、売り子の方との集合場所は新橋駅にして、そこからゆりかもめで東京国際展示場駅に向かいました。新橋駅に大体 7:00 くらいに集まって、周辺で軽食を買ったりお手洗いを済ませてから向かいます。
建物が近づいてくると「ここがあの東京ビッグサイトか……!」とテンションが上がりました。事前にマップを見ていたにも関わらずサークル入場の場所がよくわからなかったのですが、流れに乗ることでなんとかなりました。サークル参加者のリストバンドを受け取ります。
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設営&サークル受付
ホールとブロックの情報を頼りにサークル配置場所へと向かいます。辿り着いてからすぐに直接搬入された同人誌を確認し、ちゃんと届いていることに安堵しました。そして思った以上の量に震えました。部数は最後まで悩んで、この時点では絶対に刷りすぎた…… と戦々恐々としていたのですが、最終的には委託分合わせてちょうど良い部数になったと思います。
スペースについて、横幅は普通ですが、会場の広さのおかげで後ろのサークルさんとの間がとても広いのが印象的でした。これまで参加したことのあるイベントは割と狭目だったので、余裕があって良かったです。
さて、一般入場開始までやらなくてはいけないのが設営とサークル受付です。
頒布物が少ないので設営は楽でした。布を敷いて養生テープで止めて、頒布物、値札、見本誌、お釣りトレーを並べ、ポスターを飾れば OK です。かなり早めについたので余裕で設営が完了しました。サークル受付では事前に用意していた見本誌を提出します。ポストに投函する要領で受付が終了したので楽でした。
途中、メロブの方がスペースに来てくださり、委託の勧誘を受けました。この時に段ボールに貼る専用のシールを受け取りました。
と、やることが終わったのであとは売り子の方と雑談したり、知り合いのサークルさんにご挨拶したり、ポケポケをしたりしながら開場を待ちました。早く来すぎた気もしていましたが、色々していると時間が過ぎるのはあっという間でした。
開場時間が近づくにつれ、胃が痛くなるのを感じました。
い、胃が痛くなってきた。。。
— tsw (@tsw74194938.bsky.social) 2024-12-29T00:26:54.371Z
一般入場開始
ついに一般入場が開始します。開始後はしばらく自分一人でサークルに留まり、売り子の方には会場を回ってもらいました。聞くと、企業ブースはかなりの混み具合だったらしいですが、自分のいた東4ホールはそこまで混雑することもなく、比較的和やかだった気がします。
初めて自分の同人誌を手渡した瞬間は甚く感動しました……!自分が一般参加した時に作者の方にお礼が言えるのも嬉しかったですが、自分の作品を読んでくださる方に作者から直接お礼が言えるというのも同人イベントの嬉しいポイントだな、と当事者になって感じました。ポスターや見本誌を読んだ上で受け取ってくださった方もおり、自分の作品を受け取って読んでくださる方がいる!という実感が持てました。
無事頒布できて本当に良かった〜〜!
撤収作業と委託
15:00-15:30 くらいには片付けを開始していたと思います。ピークというピークはありませんでしたが、逆にいうと開場から撤収までの間、割とコンスタントに人がいた印象です。
残部は緑陽者様の段ボールに入れて、この時点で残部数を数え、メロブのサークルポータルサイトで新刊の登録をします。表紙やサンプルの変更は後からできるらしいので、とりあえず登録だけ行いました。その後、段ボールにメロブの方から事前にいただいたシールを貼って、メロブさんのスペースに向かいます。
メロブさんのスペースではわからないことも親切に相談に乗っていただけました。登録内容を確認いただいたところ問題なかったようなので、そのままダンボールをお渡しして自分のスペースに戻ります。
自分のスペースの片付けを行なって、最終的に 16:00 丁度くらいに撤収しました。
撤収します!!!ありがとうございました!!!!!
— tsw (@tsw74194938) December 29, 2024
結局自分は終始自分のスペースの周辺にいたので、帰る間際、売り子の方と会場内を見てまわりました。他のホールの全く違うジャンルのサークルさんを見て回ったり、コスプレエリアでコスプレしている方を見て回ったり、最後にコミケ独特の空気感を感じることができて良かったです。
打ち上げまでの過酷な道のり
撤収完了!打ち上げだ〜!と思いきや、とんでもない人の量に圧倒されます。りんかい線ですぐに恵比寿に行けるぞ!と考えていたのが浅はかでした。近場の駅は大混雑で、駅の外までびっしりと人が並んでおり、そこに加わっていたら到底予約の時刻には間に合わないことを直感します。実際、乗車まで1時間から2時間ほどかかったらしいという噂も聞きました……。
一緒だった方々と相談し、仕方ないので豊洲駅まで歩こうということになり歩き始めます。空いたタクシーが走っていないか目を光らせながら歩いたのですが、捕まえることはできませんでした。途中でバス停があったのでちょっと待ってバスに乗ろうとすると、バスも人でパンパンでした。コミケ会場から直接バスが出ていたのでそれに乗るべきだった!と悔しい思いをしました。
結局そのまま豊洲駅まで歩いて、そこから乗り継ぎ乗り継ぎで恵比寿まで向かいました。バスを逃した時点で予約の時間には間に合わないのが確定したので、お店に謝罪と時間変更の電話をしました。予定より30分遅らせて、それでもギリギリになってしまいましたが、何とか無事に打ち上げのお店に辿り着きました。辿り着いた時にはもう寒さと疲労でお腹がぺこぺこでした。
売り子の方に土地勘がありとても助けられました🙏また、コミケの帰宅時の混雑は舐めては行けないという良い教訓になりました……色々準備はしたのですが、帰宅時の混雑は頭にありませんでした。 同人イベントの参加自体は初めてではないのですが、コミケの格の違いを思い知らされました。
打ち上げのお店は料理がどれも美味しくて最高でした。また利用したいです。
最高すぎる………. pic.twitter.com/QRuwSzyz09
— tsw (@tsw74194938) December 29, 2024
コミケ後
コミケからの帰宅後はゆっくりお風呂に浸かって寝ます。ひたすら寝ます。今回は一日目だけの参加だったので、次の日は心ゆくまで寝ていました。
次の日、忘れないうちに売上の計算をしておきます。また、これまでにかかった費用を取りまとめます。しっかりした帳簿を作ったわけではないですが、自分はとりあえず、
コミケの売り上げと在庫の数を確認する
帳尻が合うか?在庫の数はどれくらいか?
領収書を発行できる場合は領収書を発行する
経費になりそうなレシートはとっておく
収支についてスプレッドシートにまとめる
あたりをしました。税金周りの話があるためです。自分は専門家ではないので詳しい説明は控えますが、できれば活動を開始する前にしっかり調べておいた方が良いと思います。赤字でない場合は、何らかの対応が必要になる可能性が高そうです。
終わりに
初めてのことづくしで大変でしたし、漫画を描いている間は苦しみもありましたが、終わってみれば全てが良い思い出です。本当はコミケ終了直後にこの記事を書き上げたかったのですが、年末年始及び一月は予定づくしで、今ようやっとゆっくりできています。
何気なく書き始めたら結構な量になってしまいました。この記録は備忘録の意味もありますが、コミケへの参加が決まってから自分が調べ物をしていた時に先駆者の方々の体験談が大変参考になったので、いつか自分の記録も誰かの参考になるかもしれない…… という思いも込めています。お役に立つ部分があれば幸いです。
今回の参加にあたり心配の声をかけてくださった方、相談事にのってくださった方、アドバイスをくださった方、本当にありがとうございました。最近はバタバタしていて創作活動ができていませんでしたが、また折を見て、文字を書いたり絵を描いたりしていきたいので、今後ともよろしくお願いいたします。
ありがとう、コミケ。ありがとう、東京ビッグサイト。
またいつか。
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