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当店での長時間滞在について
いつだかの平日の午後、14時の開店と同時にご入店されて、閉店30分前まで滞在していた方がいらっしゃいました。時間にして3時間半。
また別の日には、午前中の開店から閉店までの3時間、お過ごしの方がいらっしゃいました。
ご明察、滞在時間のお話です。
正論はちょっと置いておきまして
このようなとき、私の中には「なんだかな」「なんかやだな」という違和感が生まれます。もやもやと。
当店が皆さんにお伝えしているのは、「混雑時は1時間~1時間半程度でご利用頂けると助かります(場合によってはお声がけします)」ということ。
混雑時以外は特に決めていません。あえて時間で制限を設けず、ルールも定めず、これまで明言も避けてきました。いわゆる、○○分制とか、一杯おかわりするごとに○○分可能とか。
混雑時以外のことはこのもやもやがわかってから、少なくとも自分なりの根拠をもって何かしらお伝えすべきだと思ったからです。
そもそも飲食店でそんなに長居するのは失礼とか迷惑とか、そういうなんとなく正しそうな話は一旦脇に置いておきましょう。
あくまで当店の、私の話です。他のお店や人は関係ありませんし、これに関する善悪を論じる意図もありません。
誤解を与えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、今はお伝えすべきと考えたので、書かせて頂きます。あとは各々で、ご判断ください。
「なんかやだな」
のっけから恥ずかしいことを書きますが、このもやの根っこは「大切にされていない感」だと思いました。
言い換えれば「ただ使われ消費されている」という感覚。
そもそもをはっきりさせておきましょう。
当店は、珈琲屋であり、カフェでもあり喫茶店でもあり(明確な違いは実は私もよくわからない)、飲食店で、豆の販売店でもあります。
少なくともコワーキングスペースや作業カフェ(?)ではありませんので、「空間」がメイン商材ではありません。したがって○○分ウン百円という料金形態にはしていません。
私は「飲食物」をメイン商材にした「飲食店」を営んでいます。
サブ商材として時間や空間を大切にしているのです。これはどの飲食店でも同じだと思いますが、たまたま当店はその時間の流れが「緩やかなだけ」なのです。
ですが、もしかしたら、長居さん(長居する方。ここでの便宜的呼称)はその認識から既に誤解があるのかもしれません。
つまり「静かに作業ができる場所」という認識であって、飲食物は副産物。「作業場所代についてくるおまけ」程度なのかもしれません。
心の中でどのように捉えているか、もちろん皆さんの胸の内はわかりませんのでご自由なままで良いと思うのですが、それが長居さんの場合、その過ごし方でありありと伝わってきてしまうのです。
「便利で使える場所ですわ」と。(この「使える/使えない」という表現自体好きではない)
仮にそうでなくても、こちらはそう捉えざるを得ないのです。
こんなお店ですが、下手なりに一からお店を作っていき、ここまで3年半をともに過ごし、愛着も持っています。
一応珈琲屋としてやらせて頂いているので、当店および当店のご提供する飲食物を軽んじるような過ごし方をされると、まあやはり多少残念な気持ちになります。
これが「なんかやだな」の正体なのかなと。
悪意はないかもしれません。
なるほど、確かにそれなら「そういう場所(静かな作業場所)としてお店が存在意義を掲げている」「だから思う存分過ごさせてもらおう」という長居さんの中では全く矛盾のない使い方です。
そうだとしたら、私の発信も反省すべきところがあるのかもしれません。
私自身そういう過ごし方(カフェ喫茶で静かに読書や書き物をして過ごすこと)に価値を感じていて、そこを大切にしている、ということはSNSによく書いています。
他の飲食店のように珈琲やケーキ等飲食店らしい紹介やそのこだわりのような部分は発信が少ないとも思います。当店のSNSは普通に個人的なことも載せていますし。
それが仇となったと言いますか、通常の飲食店であるという認識を持って頂きづらい要因を作ってしまった、ともいえます。
なんて難しいのでしょうね。笑
ちなみに「おかわりすればいいのでしょう?」というのも私としては違いまして。
売上が惜しいのではないんですよ。
長く居るためにおかわりをして頂くのは、違うのです。それを求めているわけではないのです。
言葉で書くのはそのニュアンスが難しいですが、長く居る「手段」としておかわりをして頂きたくない、といいますか。
おかわりをご注文いただくこと自体はもちろんとても嬉しいのですが、その気持ちが本来の飲食物を欲してくださる温かいものなのか、というか。
わがままなんですかね。
書いた意図
今回このように書いたのは、こういった背景を踏まえて、もしかしたら今後ご利用の時間に制限を設けさせていただく可能性があるため、そのご理解を頂きたかったからです。
つまり長居さんがこれを読むか否かはどちらでもよくて、いつもご利用くださる方に誤解を与えたくなかったからです。
当店を日頃からご利用くださる方々の中に、私が違和感を覚えるような過ごし方をされる方はただの一人もいらっしゃいません。本当に。
だからいつもの方はいつも通りに、いつも通りにお過ごしいただけると幸いです。
むしろたまには長居してくださっていいんです。
しんどい時とかあるじゃないですか。ゆっくりしていってほしいくらいなんです。
いつも普通にお過ごしの方が長くいらっしゃったとしても、「今日はゆっくりしたいんだな」くらいにしか思いません。
要はそこに信頼関係のようなものがあるかどうかだと思います。
ただお店で顔を合わせるだけだとしても、お話をするわけではなかったとしても、そういう信頼関係みたいなものって、あると思うんです。
だからまあ、今後時間に制限を設けたとしても、「今まで長居してしまっていただろうか」など決して思わないでください。
いつも通り、いつも通り。