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トイレ掃除をすると きれいになる
会報いとうり ‐ 綴る ‐ No.13
平素より資源回収の活動にご理解、ご協力をいただき誠にありがとうございます。
この冬に旬を迎える野菜は、とても不作でした。もっとも、これまでも自然農に近い状態で小さな野菜を収穫してきたのですが、それでも順調に育って、季節に応じてその恵みをいただくことができました。ところが、昨年の猛暑は秋になっても続き、種まきが遅れたり、猪に畑を掘り返されたり(山にドングリなどが少なく、猪の餌が少なかったのです)した結果、適切な時期に成育しませんでした。
遅ればせながら発芽しても、寒くなり、日照時間が短くなると、野菜たちの成長はがっかりする程に控えめになりました。ちょうどいい時に顔を出し、心地よい天の恵みをもらって、健やかに育っていくという自然の摂理の大切さを思い知らされた冬でした。
トイレ掃除をすると きれいになる
「トイレ掃除をすると、きれいになる」と言われて、小学校のトイレ掃除も嫌がらずに頑張ったのに、「ちっとも(きれいに)ならない…」と鏡をのぞいてぼやいていた頃、トイレは「汚い」からきれいに掃除をして、それを見た神様が、「顔立ち」を美しくしてくれるのだと信じていました。
しかし当然のことながら、美しさは顔立ちのことではなく、心持ちのことです。それに、トイレは排泄の場ですが、「汚い」わけではありません。排泄空間と屎尿処理の文化は、私たちの生き方そのものです。農に支えられた日本の社会では、古くから屎尿が畑の肥やしでした。江戸時代には、屎尿(下肥)は有価物として取引されるようになります。町で集めた下肥を、水路を利用して肥船で農村に運びます。こうして、汲み取り業から運送業、問屋まで、下肥の流通網が出来上がっていきました。下肥には値段がつき、大名屋敷の下肥は高く売れたといいます。また、大根などの野菜と引き換えに下肥を集める「小便買い」という仕事もあったそうです。便所に宿る神様も崇められていました。
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文化的にも人々と繋がりを持って用いられてきた下肥は、昭和に入り、戦後の国策(衛生管理)と化学肥料の普及、水洗トイレの一般化に伴い、その価値を失い、多くの場合、汚物として処理されるものになりました。排泄文化の断絶は何をもたらすのか。
私たちが誇るべき排泄の文化は、生命の繋がりを知り、美しさの本質を捉える感性を育んできたのでしょう。
参考図書:『トイレ 排泄の空間から見る日本の文化と歴史』
『江戸のおトイレ』
コラム - スイセン -
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寒い冬を乗り越えて、春の訪れを告げる花です。和名は水仙。中国では、水に住む仙人のことを水仙と言い、この花が水を好み、球根で長い寿命をもつことから名付けられたとも言われます。優しく甘い香りがするので、トイレに飾ると、美しく香りよくの両得です。
活動報告
12月の資源回収量は概ね309.6ℓでした。生ゴミを満帆に入れた10ℓのバケツ約30杯に相当する量の生ゴミを資源として活用致します。ご協力ありがとうございました。
※算出方法: バケツの容量(ℓ)× 回収数 × 60%
資源回収用のバケツの容量と回収した回数とを掛け合わせた量の6割(容量の6割程度が一回の平均回収量)を目安量としています。
● 保育施設(2) 168.0ℓ
● 子ども食堂(1) 4.8ℓ
● オフィス(1) 19.2ℓ
● 家庭(6) 117.6ℓ
12月末時点
いとうり工房は大分市のボランティア団体として登録しています。
皆様のボランタリー精神に支えられ、ごみの削減・環境保全という目標に向かって少しでも多くの方々に関心を持ってもらえるよう、これからも努力してまいります。この取り組みを持続するために、ぜひご友人など身近な方にもお声かけください。今後ともご支援よろしくお願いいたします。
2025.1.29
資源回収ボランティアの会