2019年読んだマンガで面白かった8冊を紹介します。 8.まくむすび
著者:保谷伸
出版:集英社
2019年読んだ漫画で一番泣かされたのは
これ「まくむすび」ですね
高校演劇の部活動ものです
過去になりやらあったらしい演劇部。
主人公の新入生は創作への想いを人一倍抱えている。
とあるキッカケからその熱を失おうとしていたが、演劇部と出会いふたたび熱を帯びていく。
主人公は大人しそうに見えますが
認められたい欲が強くて、分かってもらえる事が嬉しいって感じが、ストレートにマンガにでてるんですけど
喜びとか、悲しみとか、悔しさとかの
感情とその感情の理由もストレートに提供されるもんだから、ついついノせられちまうんですよね
主人公たちと一緒になって
嬉しいし、悲しいし、悔しい。
全力は出したのに届かなかった悔しさとか
厳しいけど、細かいところまで自分を見てくれてることがわかる言葉が聞けて、満たされる感じとか
そういうのが、ここにはある
主人公は人のこころを動かすような脚本を書こうと頑張りますが
そのテーマが、このマンガそのものの表現とばっちりリンクしてて
なんとも凄いグルーヴが生まれてんですよ
演劇ものマンガの比較で言うと
去年のベストに挙げさせていただいた「アクタージュ」なんかがちょうどいいんですけど
「アクタージュ」は
劇の構造分析を入れながら、個性のぶつかり合いで生まれるセッションを軸に話を展開していく構成やと思ってるんですけど
「まくむすび」は
いい意味で派手なキャラはいないんですよね
現実感のあるリアリティラインで、派手な個性のぶつかり合いとかはないのですが
高校生演劇部員たちの活躍と葛藤が抜群の演出力で描かれるんですよ
この演出力が凄まじくて、ついつい泣かされちゃうんですよね
主人公が、薪をくべたらくべただけ燃えてくれる性格をしていて
めちゃ負けず嫌いで
ひとの話をよく聞くし、もっと良くできたんじゃないかって常に考えてて
つぎはどんな劇をみせてくれるのだろうと
わたしも観客の気持ちで楽しみにしています
おすすめです
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