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【海の近くで住むという夢が叶う時】

漠然と昔から、将来は海の近くで住みたい、という夢があった。

誰しも一度は憧れたことがあるかもしれない。

夢が叶う日は突如やってくる。

前回、10歳下の運命を感じた彼と遠距離恋愛の末に結婚したところまでお話した。

付き合ってから結婚に至るまでの経緯を一切書いていなかったので記載しようと思う。

お話の始まりはこちら↓

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「ここに住むわ」


今年の2月某日、江ノ電に乗った際に私は漠然とこの地域に住むビジョンが見えた。


東京に住む彼と会えるのは、東京出張の時。

出張の合間に彼と江ノ島デートをすることになった。
私はそれまで6年ほど東京に住んでいたにもかかわらず、
江ノ島や湘南に行ったことがなかった。

東京で元旦那と結婚していた頃は、
娘たちがまだ小さく、
土日もワンオペが多かったので未就学児2名を引き連れて江ノ島に行くというアイディアすら浮かばなかった。

そんな中、時々18歳の姪が東京に遊びに来ることがあった。

彼女は、「ガラス細工の指輪のガチャガチャをしたいから江ノ島行きまんねん」という話をしてて(いくら大阪の女子高生でも「まんねん」とは言ってなかった気がする)


漠然と、「江ノ島=ガラスの指輪のガチャガチャ」というバイアスがかかっていた。

2月某日、私と彼は久しぶりに会えた嬉しさで少し遠出をすることにした。

その週は、大嵐の予報だったが、私たちがデートする日だけは快晴になった。翌日もひどい雨が降っていた。


不思議なことに、付き合うまでは、私たちがデートする日は大体毎回ガチめの雨が降るのだが、付き合ってからはデートのたびに天気予報をポジティブに裏切って快晴になることが多かった。

天に祝福されている気さえした。

しかも、その江ノ島デートの日は、
偶然にも1年前私が初めて彼と飲みに行った日。
心が完全に動いた日と同じ日だった。


天気もシチュエーションも快晴!イエア!


鎌倉から江ノ島へ向かう際、江ノ電に乗った。

街をすり抜け進む電車の中。

まだあの地平線が見える、"サビ"に到達していない段階で私は


「あ、この街に住むんやわ私。」


と強く実感した。


こういう時の、根拠のない天からの説得力は、彼の方にも同時に降り立ったようで、


「ここで子どもたちが楽しそうに暮らしているビジョン見えたわ。」


と言っていた。(さすがツインソウル)


正直、その時具体的に「一緒に住もう」なんて話が出ていたわけでもなく、

「いつまで遠距離を続けるんだろう?」「この関係って最後どうなっていくんだろう?」という小さな疑問がお互いの胸の中に渦巻いていた。

私は、東京に住んでいた頃、気付いてはいなかったけど結構な孤独を感じていたし、ワンオペにも本当に疲れていた。

そしてまた彼も東京の人だったけど、
東京に住むビジョンは正直全くなかった。


なんなら、大阪に彼がくる?仕事どうする?なんて話はあったけどまた私が関東に戻るビジョンはなかった。


でも、この江ノ電からの景色が

「ここなら大丈夫だよ」

と囁いているかのように聞こえた。


そして、"サビ"パートの海の景色が窓全面に広がって、私の気持ちはピークになった。

「あぁ、私ってそういえばいつか海の近くに住みたいって子供の頃から思ってたけど、それってここなのかも。」


そう感じた。


江ノ島に降り立った私たちの目には、きれいな富士山が映っていた。


ここに住んでわかるけど、富士山は本当にシャイ。
そこにはいるのに、なかなか顔を見せてくれないのだ。
自分とかなり通ずるものがあり共感しかない(うるさい)。

彼も、何度も江ノ島を訪れたことがあるのに江ノ島から富士山を見たのは初めてと言っていた。


私たちは、カフェに入るたびに物件を探していた。
「この辺よくない?」
「意外と家賃安くない?」
「自転車で海まで行けるよ?え、やばくない?」


興奮が止まらない。

彼も別にサーファーとか、海で住みたいとかいう人ではないけど、私と娘たちと海の近くで住むことはなんだか容易にイメージできると話していた。


その後、私はあることを思い出す。


「あ、ガラスの指輪のガチャガチャせねば」


私は意気揚々とガチャガチャをし、指輪をゲット。

興味なさそうにしていた彼もつられてダイヤルを捻る。


1つ300円のガチャガチャを二人でして

「ペアリングにしようか」

と話した。


すると彼
「全然これでいいけど、
もしペアリングにするならもう少しちゃんとしたもの買わない?」


彼の誕生日はその翌月。
なんだか話が進み、翌月指輪を作りに行くことになった。


300円の指輪があるだけで、なんだかまたグッと二人の距離が縮まった気がした。

鎌倉に戻った私たちは、彼が今は亡きおばあちゃんとの思い出に食べた「小川軒のレーズンサンド」を一緒に食べた。
彼とおばあちゃんとの思い出をお裾分けしてくれた気がして、すごく美味しくて、嬉しかった。

その夜、たまたますごく素敵な赤提灯の居酒屋を見つけ美味しすぎる料理を堪能した。

たまたまそこで食べた大きな椎茸の天ぷらがすごく美味しかった。


見てみると、徳島産だった。

去年の秋、彼と娘と徳島を旅した時に食べた傘ぐらい大きな椎茸。

私たちは、その贅沢な大きな椎茸を「財閥しいたけ」と呼んでいる。

鎌倉の居酒屋に再会できて、
割とはっきりとした口調で「財閥しいたけ、お久しぶりです!」とご挨拶した。

余談だが、彼は、料理に鼻が効く。私は宿に鼻が効く。だから旅行したら成功しかないのだ。

美味しい料理をつつきながら
グッと踏み込んだ話になる。

彼「今日、江ノ島を旅して、物件を調べて、近い将来ずっと一緒にいるビジョンがはっきり見えた気がする。

小川軒のレーズンサンドをあなたと食べた時、

子どもの頃の思い出に、瀬菜ちゃんが遊びにきてくれた気がして嬉しかった。

瀬菜ちゃんの体調が最優先だけど、

もし僕たちに、将来子供が生まれたら◯◯ちゃんという名前にしたいな。」


とまで言ってくれた。

そこで提案してくれた名前は、


私の2人の娘に共通した漢字をあしらったものだった。


なんだか、泣きそうなくらい嬉しかった。


彼にとっては、他の人との子。その彼女らで共通する漢字を、もしかしたら将来生まれてくるかもしれない子にも自然に名付けようとしてくれていることがすごく胸に刺さった。

その優しさに包まれて焼き鳥がスッと喉を通る(お前の喉は常時通るやろ)。


「僕には、すでにあなたたちと一緒にいるビジョンが見えているから、

あとは瀬菜ちゃんからのプロポーズ待ってるね!」と言われた。


(え、これすでにプロポーズちゃうん?)


で、プロポーズすんのは私なんや!


ふと我に立ち返って2人のことを俯瞰的に考えてみた。

私の方には二人も子供がいて、
それはそれは獰猛な娘で、
私は彼より10歳上で、
血にはおたふくソースが流れている生粋の関西人で(ええやないか)、
見た目女子プロレスラーやし(誰がや)、
西日本一年下たぶらかし顔やし、
彼は東日本一たぶらかされ顔やし、
私は西日本一プロポーズし顔やし、

彼は東日本一プロポーズされ顔の男子なのである。


私「わかった。ほな、然るべきタイミングで私、プロポーズするわな。」


彼「うん、僕は僕で、そのプロポーズの後間髪入れず瀬菜ちゃんよりも大きな声でプロポーズするね!」


私「なんで出川みたいな手法とってくんねん。プロポ泥棒すな。」


そんな平和な会話をしながら、

「私たちはどうやら近い将来、海の近くに移住して結婚するっぽい」という匂いが小波のように訪れてきた。


そんなpreプロポーズのようなことをして鎌倉の夜は更けていった。


次回は、ついに!プロポーズのお話と、私たちの怒涛の物件探しのお話をシェアしていきたいと思います。


みんな、読んでくれよな!

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