心不全療養指導士〜症例報告書き方講座 Vol.3〜【患者背景のポイント①医療助成と介護保険】
心不全療養指導士を目指す方もそうでない方もこんにちは☺️
つゆかんです🐈
8月の指導士の資格申込に向けて症例報告の書き方について
ポイントやコツを発信していきたいと思います
今回は第3回、患者背景について触れていきます
その中で医療助成と介護保険についてです
どれも少しずつしか書けない部分ですが、とても大事な情報が詰まっていますので、質よく記載できるようにポイントを押さえていきましょう
どうぞお付き合いくだいませ🐈
私は急性期病院で慢性疾患看護専門看護師を主として働いており
心リハ指導士などとして多職種の心リハチームの運営をしています
過去に症例報告が必要な専門看護師、心リハ指導士、腎リハ指導士、プライマリケア看護師などの資格取得をし
症例報告で優秀賞などをいただいた経験もあります
院内外の心不全療養指導士受験者の症例の添削をし、
今の所関わった方々は全員受かってます
医療助成
高額療養費とは
まず医療費の一般的なお話をします
健康保険証を提示して医療受ける場合、
窓口での医療費の支払いは1〜3割で計算され請求されます。
入院や治療が高額になってしまう場合では、
上限額以上を支払った後、多く支払った文支給される高額療養費制度があります。
また、事前に高額になることがわかっている場合は、
役所に申請をし、窓口支払いが多くならないようにする限度額適用認定というこのがあります。
最近はマイナンバーカードに健康保険証が登録できていれば
認定証の提示が不要になるサービスも開始しています。
ただこれらは、今回の医療助成とはやや違っており、
一般的に、高額療養費とは同時に受給ができないものになります。
医療助成の種類
疾患名など特別な状況により受けられる医療助成の代表的なものには、
・特定疾患医療(指定難病など)
・小児慢性特定疾患
・養育医療
・ひとり親
・重度心身障害医療
・自立支援(精神医療・更正医療・育成医療)
・妊産婦医療
などがあります。
珍しいもので言うと、長崎や広島に落とされた原発の被爆者も医療助成があります。
一番身近なものは、自立支援医療における更正医療、
いわゆる身体障害者手帳を持っている人がこれにあたります。
低心機能に対するCRT-D植込み後や弁置換後の方など
身体障害者手帳が交付され、認定によって助成が受けられることになります。
また、循環器疾患で言うと
特定疾患医療、いわゆる指定難病を持つ方も医療助成の対象となり、
全身性アミロイドーシスや肥大方心筋症、一部の家族性高コレステロール血症などが対象になることがあります。
参考:厚生労働省:指定難病と診断された皆さまへ
簡単に言えば、病気や障害によって労働が難しく、
生活や治療のための支払いが滞る可能性がある場合、
または、高額な薬剤や多くの福祉用具などがないと
療養生活や通院などが難しい場合に
こういった制度を利用することができるわけです。
生活者の負担を合理的に判断して助成をするのですね。
例えば心臓による身体障害でいうと、
(1級)心臓の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの
ペースメーカ等への依存が相対的なものであって、メッツの値が2未満のもの
といった表現がされ、著しく心不全が進行している場合を対象にしていることがわかります。
したがって、高額療養費制度以外で、医療の助成を受けられる制度を利用しているかどうかの記載が求められています。
生活保護は医療助成?
そして、ここで知っておいて欲しいのは、
医療費がかからない例だと”生活保護”が思い浮かぶかと思いますが、
これは医療助成をする制度ではなく、医療扶助を受けられる制度になります。
厳密には、助成はお金、扶助は手助け的な意味合いなので、
現物給付となり、厳密には助成ではないことは知っておいてもいいかもしれません。
といっても、記載しても間違いと問われることはなく、むしろちゃんと情報収集していると評価されるのではないかと思います。
採点者が知っているとも思えませんので。
介護保険
そして、意外と皆さん苦手な介護保険です
これは僕が退院支援部門で学んでいることもあり苦手意識はないですが
レポートでは、制度自体の複雑性を問われるものではなく、
患者の介護度や利用しているサービスを正しく理解し
情報収集できるかが問われていることを覚えておいてください
介護保険の”有無”
まず介護保険の”有る無し”ですが
ここはそもそも受けられる年齢かどうか、などは置いておいて
①申請しているかどうか、
②要支援/要介護認定を持っているかどうか、を
意識して記載をしましょう
HPにある記載例では全て介護保険の項目は”無し”になっていますので
参考になる記載の仕方がありませんが、
あくまで背景なので事実のみ記載で問題ないはずです
落とし穴があるとすれば、2点中しましょう
・介護保険の申請はしたけど要介護認定がされてない場合
・介護認定が低いのに、やたらヘルパーなどのサービスが多い場合
介護保険の申請はしたけど要介護認定がされてない場合
これは”有り”でいいと思いますが、申請中という追記が必要になります
申請中でまだサービスを利用していない場合は、
”無し”としても採点には影響はないですが、
報告書の後半で今後サービスをどう利用していくかにも関わるので、
正しく書く方がいいと思います
介護保険は申請中からすでにサービスが利用可能なので、
認定がなくてもサービス利用をしている場合があります
その場合は、申請中で認定がまだわからないことの明記は必要なので
”申請中”や”認定調査結果待ち”といった文言は必要になると思います
認定結果が低いのに、やたらヘルパーなどのサービスが多い場合
これは高齢夫婦などの家族にありがちなんですが、
高齢患者の配偶者に入っているサービスの場合があります
これについても深く突っ込まれることはないと思いますが
知ってる人からすると、要支援なのにこんなにサービス入る?みたいな違和感はすごいです
家族機能にも関係する情報収集能力を問う方も中にいるかもしれませんので、
確認できる範囲で患者自身のサービスと家族に入っているサービスとを分けて記載しましょう
おまけ:訪問介護(ヘルパー)とは
ちなみに豆知識ですが、
ヘルパーなどの訪問介護サービスは、
介護保険を申請してない家族の同居がある場合、
洗濯や掃除といった生活扶助のサービスは利用できません
訪問介護のサービスは身体介護と生活扶助サービスの大きく2つに分けられるのですが、
健康な家族がいる場合は身体介護のみしか利用できないというルールがあります
なので、患者が女性で家事活動をやりたいけどヘルプして欲しいという場合においては、
配偶者の方も介護保険の申請を一緒に行うことをお勧めします。
最後まで読んでいただきありがとうございます
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〜つゆかん🐈〜
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