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あるいは壁向こうへの問いへ

!この記事には「FF14 暁月のフィナーレ(6.0)」までのネタバレ感想が含まれます!

新生~蒼天までフリートライアルで遊べるし暁月まで含まれたコンプリートパックが時々セールになるのでぜひ。







流星雨と暁光は美しかった。
けど弊ヒカセン――彼女はそこで燃え尽きられないし、「あなたを呼ぶ声が聞こえる」なら「声のする先に」向かわなければいけない。その声の主たちを愛しているから。
そうして日常への帰還を果たし、アルフィノの問いへ真面目にかふざけてか、ともかく彼女らしい返事をしただろう。
空中庭園で手向けた花が無駄になった絶望や怒りも、今度こそ天の果てへ捨て置いたことで晴らされもしたはずだ。
だから、彼女はまた壮大なおせっかい女として世界を駆け回る。

けれどしばらくして気付いてしまったのである、
壁の向こうのPLは最後の最後でゼノスに負けたことに。

「ゼノスの言葉はPLへのメタ」とする読み方を一度は目にしたことがあるかと思う。
そして、それを感じてゼノスを肯定したプレイヤーも多いだろう。
あるいは、その人のヒカセンも頷ける背景が存在しているとか。
ただ、彼女は「いざというとき友人たちを救えるように」とヒラ修行で冒険者になった。そんな奴は戦闘狂から「俺の同類だからな」なんて言われたって頷かない。
故に、ゼノスに否定的な選択ばかりをしていた。
そもそも真っ向からの肯定も否定もしない私とは意志が一致することはなかった。

そのゼノスからの、返答可能な最後の問いかけがこうだ。

怪物然とした笑みはどこへやら、探し求めたものへ至ったひとりの男が爽やかに笑んでいる。
だが、外から定めるものはない故にこそ彼女はこう返す。
「いい加減、お前にはうんざりだ」と。
それが終始お前の意志であるならけじめをつけろ、と。
「ただひとりの人間として」ゼノスを許さない彼女であるがゆえに。

問題はここからだ。
私はヒラメインだが、お淑やかに人々の無事を願う方ではなく、ガタガタに壊滅した初日のアライアンスを見て汚い声で笑いながら蘇生を叩いている方だ。
およそ彼女とは似ても似つかないが、それでも辿ってしまえば同じところはあった。

「お前に世界を滅ぼされたら困る」

彼女は「大事な人がそこにいるから」と言うし、
私というPLは「ヒラの楽しさは共闘者ありきだから」と言う。
だからこそ、ゼノスには頷けない。
ゼノスがここに至るまでに踏み潰してきたものを思えば無理なのだ。
世界から人が消えれば終わってしまうのは、ゲームもメタも同じだから。
こうして壁は破られた。どうしてこんなところで? 許せねえ。

この話にこれといったオチはない。
この先も恨みがましく引きずるのだろうなという事だけだ。
「終わったこと」として前を向いて歩み続ける、小さくも頼もしい彼女の背中を見つめながら。