禽獣 川端康成
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部屋に籠る男の現実逃避を感じる。塀を隔てて自分の芸術世界を作る。その中で鳥を育て、犬を育て、「生」や「美」をコントロールしようとする。外は犬が死に、惚れた女が非処女になる。それは自然であり、コントロール出来ない。ある種、現世を諦めた、諦念である。
・矛盾...動物を愛すると、良種を求める=>冷酷さ
動物を玩具とし、理想を人工的に育てる
=>神のような爽やかさ
・嫌悪
・「純血」
・家の塀が世界を分ける
・エロス(美、生、芸術世界)と
タナトス(死、醜い、不気味)
エロス テーマ: 人工、選抜された動物
例: 愛玩動物、小鳥、犬、育児出産
タナトス テーマ: 自然、千花子の肉体の荒廃、成熟
例: 千花子、非処女
=>コントロールの可否
・若い頃の千花子の「虚無のありがたさ」
=>理性的な美しさ
・出産と年を経て衰退=>人間の常
・鳥は「無心、野生」を失わない
・化粧をしても「聖女」は保てない
・「野生好き」
鳥や犬にそれを見出す
千花子
処女
・「人間嫌い」
出産や年で廃れる
家族しか見なくなる