ストーリータイプ09「デス・ゲーム」
物語のストーリーは、「主人公の行動」によって7つのカテゴリー分類ごとに、計24の「ストーリータイプ(物語類型)」があります。
今回は「主人公が戦う、争う、問題を解決する」バトル/トラブルシューティングのカテゴリーに属するストーリータイプ09「デス・ゲーム」をご紹介したいと思います。
「デス・ゲーム」はどんな物語か?
「デス・ゲーム」は、バトル/トラブルシューティングのカテゴリーのストーリータイプの中でもっとも特異で、もっともインパクトの強い物語です。
このストーリータイプは、周囲すべての人物が主人公の「敵」となり、主人公はその中で生き残るために「殺し合う」という戦いが描かれるストーリータイプです。
読者によっては、あまりにも強烈で凄惨なストーリーに拒否反応を示す方もありますが、その分熱狂的に支持してくれる読者も多くいます。上手く使いこなせば、多くの読者の興味を引けるストーリータイプです。
このストーリータイプでつくられている代表的な作品
このストーリータイプでつくられている既存の作品には、次のようなものがあります。
・小説、映画『バトル・ロワイアル』
・ゲーム、アニメ、映画『Fate/stay night』シリーズ
マンガ『金色のガッシュ!!』
小説、アニメ『十二大戦』
小説、アニメ『魔法少女育成計画』
……などなど。
「デス・ゲーム」のつくり方
この物語をつくるには、次の3つの要素を決めるようにしましょう。
1.「デス・ゲームに巻き込まれる主人公」と、同じく巻き込まれる「主人公の敵となるその他の登場人物たち」。
2.主人公が巻き込まれる「デス・ゲーム」の内容。
3.「最後の決着」がどういうものなのか。
このストーリータイプの主人公は、ひょんなことから全員で殺し合い勝者を決める恐ろしい「デス・ゲーム」に巻き込まれてしまう、ごくふつうの生活をしていたよくいる一般的な人物です。そんなふつうの人物が、特異な「デス・ゲーム」という状況に巻き込まれることが、物語の面白さとなります。そんな主人公がどんな人物で、なぜデス・ゲームに巻き込まれてしまうのかを設定しましょう。
また、同じくデス・ゲームに巻き込まれ、生き残りをかけて殺し合うことになる主人公の「敵」となるその他のキャラクターたちがどんな人物なのかも設定し、またそれらのキャラクターたちと主人公がどんな関係性にあるのかも、合わせて設定しましょう。
この物語のメインのモチーフとなる「デス・ゲーム」がどのようなものなのか、なぜ多くの人間が集められて、何のために殺し合いをしなければならないのか、どのようなルールがあり、最後に生き残った勝者には何が与えられるのか、そんな「デス・ゲーム」の内容を設定しましょう。
このゲームのルールによっては、個人で戦う場合もあれば、二人一組になって戦うタイプのデス・ゲームも設定できます。
「デス・ゲーム」では、とくに「最後、主人公はどうなるのか」を決めておくことが非常に重要です。読者の最大の関心事も、その「最後どうなるのか」にあるからです。
誰が敗れ、誰が生き残り、主人公はどうなるのか、「結局最後は主人公が生き残るんでしょ」という読者の予想をどのような形で裏切って(主人公が生き残るとしても)どのような意外性を演出するかを設定しましょう。
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この「デス・ゲーム」について、さらにお知りになりたいという方は拙著『ストーリータイプコレクション[2]「バトル/トラブルシューティング編(上)」3種』にて、くわしく解説されています。
今回ご紹介した「デス・ゲーム」の特徴や作成のコツ、そしてこのストーリータイプの物語を組み立てるうえで土台として使える汎用プロットテンプレート「ストーリーフレーム」も収録しています。
ご興味のある方は、ぜひ合わせてご一読ください。