ストーリーカテゴリー4「ロード・ムービー」
物語の「型」は、主人公の行動によって7つのカテゴリーの24のタイプに分類されます。
今回はその中で、主人公が旅をする物語「ロード・ムービー」について、ご紹介したいと思います。
「ロード・ムービー」はどんな物語か
ロード・ムービーは、日本語で「旅物語」であり、目的地へと旅をする主人公とその旅を描いた物語です。
このカテゴリーに属する物語は、どんな旅路を通って、どこへ行くのか、その旅路と目的地によって次の4種類のストーリータイプに分類されます。
[4]「ロード・ムービー」
タイプ18「冒険譚」
タイプ19「行きて帰りし物語」
タイプ20「スニーキング・ミッション」
タイプ21「レース」
タイプ18「冒険譚」は、主人公の「冒険の旅」を描く物語です。
タイプ19「行きて帰りし物語」は、主人公が不思議な別世界へ迷い込み、「その世界から無事に元の世界へと帰ってくる旅」を描いた物語です。
タイプ20「スニーキング・ミッション」は、主人公が敵地などに潜入し、工作などの任務を果たして無事に「脱出する潜入」の旅を描いた物語です。
タイプ21「レース」は、レース競技に出場する主人公とそのレースを描く物語です。
主人公が冒険に旅立ったり、どこかの場所へ旅をしたり、諜報活動やレースといったモチーフの物語を描きたい場合は、この「ロード・ムービー」の物語を検討してみてください。
「ロード・ムービー」のストーリー構造
ロード・ムービーは、旅を描く物語であり、主人公の旅の旅程そのものがストーリーになるという特徴があります。
つまり、主人公が旅立つところからストーリーが始まり、途中さまざまな難所を通過し、立ちはだかる敵や怪物を退けながら進む旅が中盤のストーリーとなり、物語のクライマックスではついに目的地に到達した主人公が、そこで旅の目的を達して物語が終わります。
「ロード・ムービー」のつくり方
このカテゴリーの物語をつくるには、次の3つの要素を決めるようにします。
ロード・ムービーに必要な3つの要素
1.「主人公」と「旅立ちの動機」
2.「旅の旅程」と「旅の目的地」
3.「旅を妨げる障害」
まずは、主人公がどんな人物なのかを設定します。また、その主人公が何のために旅立つのか、旅立つ動機、理由、目的も設定します。
また、そんな主人公がどのような道を進んで行くのか、どんな旅をするのか、その「旅路、旅の内容」と、どこへ行くための旅なのか、その「旅の目的地」を設定します。
さらに、主人公の旅の妨げとなる危険な難所や敵、トラブルなどのさまざまな「障害」を設定します。
クライマックスで目的地に到達する
ロード・ムービーは、目的地に行くまでの旅を描く物語ですが、最後に目的地について終わりではありません。物語のクライマックスの始まりで主人公たちは目的地に到着し、クライマックスはその目的地でのドラマが描かれます。
その目的地のドラマとは、主人公がその目的地でしようとしている主人公の「旅の目的」が成功するか否かというものになります。たとえば、「魔王の城にいる魔王を倒す」という冒険の旅ならば、クライマックスの最初で魔王の城に到着し、クライマックスは「魔王との戦い」が描かれることになります。
また主人公は、目的地まで旅をすることによって、大切なことを学んで、成長します。旅の前と後で、主人公ががどんな変化、成長を遂げるかも、設定しておきましょう。
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