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ストーリータイプ19「行きて帰りし物語」

物語のストーリーは、「主人公の行動」によって7つのカテゴリー分類ごとに、計24の「ストーリータイプ(物語類型)」があります。

今回は「主人公が『旅』をする」ロード・ムービーのカテゴリーに属するストーリータイプ19「行きて帰りし物語」をご紹介したいと思います。

「行きて帰りし物語」はどんな物語か?

「行きて帰りし物語」は非常に有名な古くからある物語類型の1つであり、現在も広くつくられている「行って、帰ってくる」物語です。

この「行きて帰りし物語」は、遠く、見知らぬ場所に迷い込んでしまった主人公が自分の家に無事に帰ってくるまでの旅を描いた「帰還の旅」を描く物語です。

また、この「行きて帰りし物語」の亜種として、「行けば行ったっきりの帰ってこない」物語である「異世界転生もの」なども含まれていきます。

このストーリータイプでつくられている代表的な作品

このストーリータイプでつくられている既存の作品には、次のようなものがあります。

小説『二分間の冒険』


映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』


映画『千と千尋の神隠し』


小説『オズの魔法使い』


小説『タタの魔法使い』


マンガ、アニメ『彼方のアストラ』


小説『銀河鉄道の夜』


『古事記』『日本書紀』のイザナギ、イザナミの「冥界下り」神話

……などなど。

「行きて帰りし物語」のつくり方

この物語をつくるには、次の3つの要素を決めるようにしましょう。

1.異世界、別世界に迷い込んで戻れなくなってしまった「主人公」。
2.主人公が迷い込む「異世界、別世界」。
3.「元の世界に戻るための方法」とそれに「必要なもの」。

このストーリーは、主人公が「異世界、別世界」に迷い込んでしまって帰れなくなってしまうところから始まります。この物語の主人公はそんな「違う世界に迷い込んでしまった人物」となります。
「異世界、違う世界」へ迷い込んでしまう物語である都合上、この主人公は読者と同じ現代の日常を生きるごくふつうの人物であったり、同じ日本や地球に住む人物であることが多くなります。
また、ストーリーによっては違う世界に迷い込むのは主人公の他にもいる場合があったり、何らかの「集団」で迷い込むケースもあります。
従って、主人公の持つ「目的」は、「無事に元の世界に帰る」というものになります。
そんな主人公とや同じく迷い込むキャラクターを設定してください。

このストーリータイプをつくるうえでの大きなポイントは、「主人公が迷い込む異世界、別世界はどんな所なのか」という「違う世界の設定」です。
この「違う世界」は、主人公が住む世界とは異なるという意味での不思議な異世界、見たこともないような別世界もあれば、主人公が生活する「日常」とは異なる環境、主人公が生きる「時代」と異なる時間軸の時代(未来または過去)という意味での「違う世界」の場合もあります。ポイントは、主人公が生活する時代や場所、日常とは異なる要素を持つ場所ということです。
そんな主人公が迷い込み、戻れなくなってしまう「異世界、別世界」がどんな場所なのか、その世界の設定を考えてみましょう。

また大事なのは、その違う世界から主人公が「戻れなくなってしまう」ということです。主人公は「違う世界」に迷い込み、何らかの理由やトラブルによって元の自分が生活していた世界に帰ることができなくなります。
そんな主人公は、何とかしてその世界から元の自分が住んでいた世界に帰ろうとそのための方法を見つけようと行動します。主人公がどうすれば元の世界に戻ることができるのか、どんな方法で戻るのか、そのためには何が必要なのか、どのようなことをする必要があるのか、そんな「主人公が元の世界に戻るための方法」を設定して、そのために主人公を行動させるようにしましょう。

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ご興味のある方は、ぜひ合わせてご一読ください。


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