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オーラを感じた人

 

ある芸人さん

 中学生だった頃、家ではいつも自分の部屋に篭ってラジオを聴いていた。

 ラジオ番組の中で一番好きだったのが、ある地方の芸人さんの番組。

 違う地方のラジオ局の番組なので、そんなにクリアには聞こえなかったが、毎週欠かさず聞いていた。

 テレビでは見たことがなかったので、顔も知らなかったが、「こんな面白い人たちが世の中にいたんだ!」と感動と尊敬の念さえいだいていた。

 番組を聴き始めてから数ヶ月経った3月末、重大発表があると言うので、ワクワクしながら聴いていたら「来週から笑ってイイともに出ます!」と。

 関西の人間じゃないのに、東京に進出する前のダウンタウンさんを知っていたとう事は私の自慢。

 それからの活躍は言うまでもなく、未だに一線で活躍されているのは本当に素晴らしいと思う。

 

ある女性歌手

 社会人2年目だったある日、東京で働いていた私が、仕事の後に、同僚に誘われて、六本木のベルファーレに行った時の事。

 ベルファーレとは、今はもうないが、当時、人気のディスコクラブで、よく有名な歌手のライブとかもやっていた。

 その日も、スペシャルで当時人気があったELTのライブがあり、同僚が、たまたまチケットを入手し、暇な同期が他にいなかったから、私が誘われた。

 あまり乗り気ではなかったが、有名人をただ見れるんだからという事で、渋々行く事にした。

 すぐにELTが見れると思っていたが、前座が何組も出演して、なかなか主役が出てこない。

 流石に遅いと他の観客も思い始めたのか、DJが、「次は△△ですっ!」と聞いたこともない名前を言った時、会場のあちこちで、「まだかよっ?」とか「知らねえよ!」とか罵声が聞こえた。

 私も隣にいる同僚に「流石に遅くないか?」と言って、ステージを見たとき、一瞬凍った気がした。

 今までの前座とは全く違う、透き通るような雰囲気と、一流のオーラを感じる、小柄な女性歌手が立っていた。

 歌も上手く、会場の雰囲気も、ガラリと変わった気がした。

 歌が終わり最後に、

「2週間後にデビューする浜崎あゆみです!よろしく!」 
 
 と言って小柄なカッコいい女性歌手がステージから去っていった。

 今はあまり活動していないようだが、一時は歌手の中でトップをとったと言ってもいいだろう。

 デビューする前の彼女のステージを生で見れたことも私の自慢だ。


ある野球選手

 今から10年ぐらい前、お盆休みに帰省し、昼間からビールを飲みながらテレビで高校野球観戦。

 地元の県の代表が出場するので、試合前の練習から観ていたが、守備練習をする相手チームの選手がとても気になった。

 なんというか、他の選手にはない、オーラのようなものを感じ、

「この選手、絶対四番打者だな。」と思い試合を見始めた。

 結局三番打者だった彼が、地元の高校の好投手から、ホームランを打ち、試合は地元の高校が勝った。

「間違いなくあの選手プロに行くな。」と思い、暫く気になっていたが、そのうち忘れていた。

 ヤクルトスワローズに入団して3年目、活躍し始めた頃に思い出し、

「やっぱりプロになったんだ。凄いな。」と嬉しくなり応援し始め、次の年、トリプルスリーで、山田哲人選手の名前が一躍有名になった。

 正直、最近は怪我か疲れかで、以前のような輝きが薄れている気がするが、日本のプロ野球に残り、600本塁打、600盗塁、3,000本安打ぐらいの成績を残して欲しい。

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