ラグビーが教えてくれたこと13
【勝つことだけが全てだと言って、勝つことだけが全てじゃないことを教える大切さ。勝つことが全てじゃないけど、勝つことを本気で目指さないと何も得られない。】
これは、大学時代に指導していただいたマットさん(林雅人監督)から、卒業後に教えてもらったことです。
これもコーチ目線というか、教育者目線で非常に深い言葉だなと思い、この話を聞いた、その飲み会の帰りにボーッと考えさせられたのを思い出します。
お酒の酔いが引いてきて頭が働きだした時だったかと。
「勝つことが全てだけど、
勝つことだけが全てじゃない
・・・ん?」
と、たしかに最初聞いた時はよく意味がわかりませんでしたが、
まさにこの言葉にこそ、スポーツの価値が詰まっているなと、だんだん理解できるようになりました。
僕がこれまでに紹介してきた僕なりのスポーツの価値というのは、勝利という結果によって得られたものもありますが、ほとんどが、勝利に向かうプロセスの中で得られた価値が多いのです。つまり、言ってしまえば、結果論になりますが勝っても負けても得られた価値というものが多くあります。
しかし、全てに共通する要素として言えることは、
僕がスポーツの価値を感じた全てが、
本気で勝利(結果)を取りに行ったことで得られたものである
ということなのです。
勝つことで全てが報われる。勝つことが全てだ。
そう思うからこそ、本気で自分に厳しく、人に厳しく、仲間と協力しあって、全力を尽くして、出来ないことにもチャレンジしていく。そのプロセスの中で本当に大切なことに気付いていく。ここにスポーツを「する」人間として気付く価値が潜んでいると思います。学生や社会人、どんなグレードであれ、本気で取り組んだことでしか気付けないことがあって、それをマットさんはコーチであり教育者として、学生たちに指導していたのだと思います。
もちろん、勝敗の気にしない遊びとしてのスポーツをすることで気付く価値というのもあると思います。ただ、それを手にするよりも難しい、本気で勝利を目指して自分を犠牲にしていかないと手にすることのできないスポーツの価値というものを教えたかった。
そんなことを卒業してしばらく経ってから飲み会の席でマットさんから、学生時代に日本一を目指していた過程の中での厳しさの裏に隠された答え合わせのような話として話された時に、自分は素晴らしい指導者に巡り会えたんだなと改めて感じさせられました。
指導者・教育者として、本当に伝えたいことは伝えない。
本気で目指す過程の中で気付かせるからこそ、その人に経験として深く伝わる。
それぞれのストーリーがその人の中で生きる。
【勝つことだけが全てだと言って、勝つことだけが全てじゃないことを教える大切さ。勝つことが全てじゃないけど、勝つことを本気で目指さないと何も得られない。】
そのことを教わった上で、これからも本気で勝つことを取りにいきたいと思います。
そんな話です。