ラグビーが教えてくれたこと4
【実力で示すと周りが変わる】
これはですね、
社会人になりたてのころにすごく感じたことであります。
NECグリーンロケッツというチームに入団し、初めてチームメイトに外国人選手がいる環境になって、最初の頃は彼らとの繋がりというか、〈受け入れられ度〉というか、そういうものがなんとなく希薄なように感じながらプレーしていました。
僕自身、あまり酒の場に行くようなタイプでもなかったし、単純にそういう意味でも話す機会や自分を知ってもらう機会というものも少なかったのですが、ちょっとした壁を感じていたのは確かです。
そんなことを感じていたからか、それとも考えすぎだったのかわかりませんが、心なしかグラウンドの中でも信頼されてボールが巡ってくる感じも少なく、その年の開幕戦にもリザーブでメンバー入りもして試合に出てはいた中でも、少しもどかしさを感じていました。
その状況がガラリと変わったと感じたのが、第2節vs Panasonicのことでした。
初戦同様にリザーブでスタンバイしていたのですが、前半は0−31。
後半の頭から投入されて、なんとか追い上げようと必死にラインブレイクしたりトライしたりと奮闘し、結果的に26−38で敗れてしまったものの、個人的にはすごく手応えを感じたのです。社会人になって初めてでした。そしてこの日から、外国人選手たちの僕に対しての接し方というか、グラウンドでの信頼感というか、そういうものがガラリと変わりました。
ボールも回ってくる。よく話しかけにきてくれる。
たった一回活躍しただけなのに、こんなにも変わるのか、と。
そのことが自分にとっては好循環を生み、その後の試合でも自分の能力を最大限発揮し続けることができました。
合理的に考える外国人選手たちだからなのかな。
前回、ハードワークで人としての信頼を得る話をしましたが、グラウンドでの信頼っていうのはやっぱり実力で示して認めてもらうというのが近道だと思います。いや、近道じゃないな、実力でしか掴み取れないと思います。
それは反面、グラウンドで凄いけど人としては全然尊敬できない人間もいるって意味なのかもですね。
これは、スポーツ以外の世界ではどうなのでしょうか。
やはり仕事でバリバリ成果を残すと周りの人たちの態度というか、接し方も変わったりするんですかね。以前より仕事が回ってきたりとかっていうのは、もちろん仕事で結果を出したらあると思います。一方で、仕事できるけど人としては尊敬されない人とかもいたりするんでしょうかね。
やっぱりスポーツの世界は社会の縮図なのかな。
そんな話です。