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チームルールを決定して方向性を明確に示すこと

 今回の内容は、私が尊敬する○○炎さんのチームルールをベースに私も同じような内容でチームルールを実施しています。

●新体制で考えること

 私も指導者になって11年目を迎えましたが、毎年新体制になった時「今年はどんなバスケットボール戦術が選手に合うのかな、どのようにして学生が掲げる目標を達成させていこうかな」と考えます。

 それは、どんなスポーツでも、どのカテゴリーでも、毎年、チーム構想は変化していきます。特にアマチュアスポーツであれば、最終学年が最後の大会で引退し、そこから中学、高校であれば2年生以下、大学生であれば3年生以下のメンバーで、新たな体制としてスタートしていく事は、どのチームも同じだと思います。また、プロであればシーズンが終了すれば、来シーズンに向けてヘッドコーチを含め新たな体制がスタートします。

 しかし、バスケットボール戦術や技術を教え込む内容は、選手の体格や技能によって毎年変化したとしても、指導者が考えるチームルールは、大きく変化してはいけないと思っています。

 例えば、現在B1リーグでヘッドコーチとして指揮を取る○○炎さんは、チームに求める3つのルールを実施しています。

『Respect each other』

 選手間はもちろんのこと、選手とコーチ間など、チームに関わる全ての人間の関係性において、他者を尊重するということです。そして、コーチと選手の関係性は、指導者をトップに置いた三角形ではなく、サークルであると指摘しています。

 現在、九州共立大学男子バスケットボール部員は、79名という大所帯チームです。しかし、専用のコートがあるわけでもなく、他クラブと体育館を調整しながらコートを使用しているので、限られた時間でしか練習は出来ません。また現在、A,B,Cチームと振り分けをしていますが、必然的にAチームがコートを使用して練習をする機会が多くなります。ここで、数年前に何人かのAチーム選手が勘違いをしていました。

『俺らは上手いからB,Cチームよりも俺らが体育館を優先的に使用するものだ。Cチームの選手にシュートのリバウンドを拾ってなど』彼達は何か勘違いを起こしている状況もありました。

 そこで、私は、常に日頃から全選手にバスケットボールの上手い選手が素晴らしいと言うわけでもない事を伝えて、それぞれの選手がAチームだろうとBチームであろうとCチームであろうと、まず個々の人間性を尊重することを伝えるようにしています。


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『Fundamental beat talent』

 バスケットボールに限らずスポーツは、タレント集団が勝つということが多々あります。しかし、ファンダメンタルを重要視してチームを作り、タレント集団にチームとして勝つことを目指します。

 そもそも、個々の能力が高いチームが勝つのであれば、試合前から勝敗は決まっているはずです。それであれば、指導をする意味もなく、練習する意味も無くなります。

 また、私達は地方チームですから、関東勢の大学と比較した場合、タレント的にも劣っている選手が多いです。

 しかし、バスケットボールは、チームスポーツであることを理解させて、たとえ個々の能力の力が劣っていたとしてもチームとして勝つという意思を持った集団を作りあげていきます。

『Play defense』『Play hard』『Play together』

 これは、根本的にディフェンスチームを作るということです。

 オフェンスは、アウトサイドシュートなど当たり外れが試合ごとにありますが、この最後の3つの項目は、能力の有無に関わらず、意志さえあればできることです。

 また、毎年ビックマンを獲得できれば高さで勝負する事も考えられますが、高校卒業後は、やはり有望な選手は関東に流れる傾向があるので、地方チームとして平面的なバスケットボール戦術でタレント集団に臨むようにして、私自身が考えるポリシーやチームに求めるものを伝えて、選手の育成やチーム強化を図ります。

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 つまり、指導者は、毎年チーム構成を行うと思いますが、チームルールに対して信念を持ち、ブレずに1つのことをやり切る、『決めたことを簡単に変えずに方向性をしっかり持って示すことが重要である』と思います。

●各学年に求めること

私は、上記の3つのチームルールに加えて各学年にも求めることを示しています。

1年生(Freshman)には『持ってる力を100%出せ』

 これは、このチームに入り、右も左も分からない状況だと思います。ほとんどの選手が何をどうしたら良いのか分かりません。なので、何も分からなくても大丈夫。今持っている力を100%出し切ることだけを考えてプレイするように伝えています。

2年生(Sophomore)には『チームルールの中で持っている力を全て出せ!』

 2年生になってくると、少しずつチームのことが理解し始めます。しかし、まだまだ根本的なことを理解できずに何のためにやっているのかと迷いが生じる場合もあります。まだまだ下級生です。1年生の面倒を見ながら持っている力を全て出し切って欲しいと伝えています。

3年生(Junior)には『後輩の指導を徹底し、チーム方針に対して積極的に参加しろ!』

 この年代になれば、チームの方針、チームルールを理解しています。周りを見る余裕も出てきますし、チームを構築するにも、この年代はとても重要な位置にいると言っても良いと思います。最上級生の意見を聞き、的確に後輩達に伝えて練習を活気づけるのもこの年代がしっかりしていれば良い方向へ進んでいきます。

4年生(Senior)には『全ての事柄に対して責任を持って』

 この年代になれば私(指導者)の考え方を理解しています。練習中も私が全選手に伝える前に、4年生がチームを集めて率先してチームを引っ張ります。しかし、この最終学年の4年生がチームを引っ張ることをせずに、バスケットボールを自己満足のためにやっている選手が多い時は、良い結果が出ていません。

 やはり、どれだけチームルールや各学年に求めることを理解してやれるか。ここの部分は、社会に出た時も大変重要な要素になると思います。


続きは後日アップします。

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次回は、『チームボンディングでチーム力向上を図る』ことを書いていきたいと思います。

引用および参考文献

バスケットボールマガジン(2010)チーム強化『私のこだわり』ベースボールマガジン社、東京。

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