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「本」ってかさばる-引越し中に考えた本の文化的格差-

引っ越しの準備をしている段階で,思ったことが「本ってかさばるなぁ」と。

段ボールにパンパンに詰めても重くて持てないし,段ボールを分けるとしても結構な量になってで,本の引越しってかなり厄介なんだなと感じました。

また,重ければ重い分だけ料金も高くなっていくわけです。

電子書籍で保有をすればそこのコストは抑えられますが,自分にとって価値のある書籍はやはり紙媒体で持っておきたいというのもほんねだったりします。

さて,これは自分の引越しではなく社会全体の話になっていくのですが,本を取り巻く現状がこれだと,かなり厳しいな,ということを感じます。

なぜなら,本が『富裕層向け』『都市部向け』のものとなってきているのではないかと感じるからです。

今から話していくことは現段階での仮説です。
地方というのは都市部に比べて圧倒的に書店が少ないです。
書店というのは本を取り巻く環境の中でも重要な役割を果たしていると思います。
書店で本のタイトルを眺めたり目次に触れることが気軽に出来るかどうかでは,本という文化的資本へのアクセスに大きな差があるでしょう。

電子書籍が本の文化的格差を埋める,という可能性はもちろんありますが,自分はむしろ電子書籍は格差を広げると考えています。
本屋というのは,ある意味で万人に開かれた場所です。本屋の中に入り,全ての人が本を眺めることができます。
そして、それは幅広い本への接する機会を与え,時には想像もしていなかった書籍との出逢いが人を豊かにする,ということもよくあるでしょう。
また,本を紙で持っている場合は,その貸し借りを通して本との出会いを果たすということもあるはずです。

一方で電子書籍は,選ぶ本やジャンルが固定されがちです。これは企業側からすれば売上を上げるための努力で否定はしませんが,本を文化として捉えてそのアクセス性を問うたときには,そのジャンルが固定されてしまうというデメリットがあると考えてます。

さらに,電子書籍を購入することができるのは,今後生活に余裕のある人になっていくだろう,とも考えられます。そうなると貧困層の人や,特に親が書籍に価値がないと考えてる子どもなどは非常に書籍に親しむことが困難になると考えてます。

電子書籍が増えると地域の書店は経営が更に苦しくなり,閉店していくことになると思います。
そうなると先程言ったような書籍を取り巻く文化的環境の格差が更に拡大していくというスパイラルになります。

ここで述べたことは現段階では仮説ですし,仮説が妥当か,どう解決したら良いかは今後考えていく必要があると思いますが,そんなことを考えながら引越し作業をしていたというお話でした。

今日はここまで。また次回!

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