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スポーツは1から10まで教えられても上達しない。
随分と昔の話ですが、フィットネストレーナーの指導現場を見たことがあった。いやダイエットトレーナーでも良いだろうか。
指導現場を見ててダイエットか健康のためにお客さんに運動を教えている感じであったから。
その現場を横目で見ていると1から10まで手取り足取り懇切丁寧に教えている。正直すごいなぁと思った。私にできるかと聞かれれば、あんなにも客をヨイショすることは難しいと思った。
と言ってもやらないといけないかもしれないけど、あんな風に持ち上げるのはできない。本心が許せないから(笑)だから逃げていく人がいるのかもね。
まぁでも接し方の勉強にはなった。
でも。
スポーツの場合は、あれでは試合では結果を出せないだろうと思った。1から10まで教えてしまうと、教えられる側は工夫しなくなるからだ。
例え1から10まで全てできたとしても、相手と競うスポーツだと習得した技術を工夫して扱わなけれんばならない。
そうでないと勝てないからだ。単に動いているだけで相手に勝つことはできないのは至極当然のこと。
なので1から10まで教える必要があるのかと言えば、はっきりと教える必要なし!と思うわけです。まぁせいぜい1から5くらいの半分で良いかと思う。
結局どんなに教え方が良くて、相手にその技術ができて、理解も深まっているとしても、成果の分かれ目は結局はそれを「やる人」に委ねられる。
だから1から10を教えても、教えられても上達するかは本人次第というわけです。
同じようなことをしても、人それぞれ体格が違う、体質も違う、性格も違う、環境も異なる。何もかも違うのであって、教えられたことが全てできても、結果が同じになることはない。
なので、指導者も教えたから相手が上達すると考えるのは驕りだと思いますし、優れた指導者に教えられたから自分は上手になると思い込むのは烏滸がましいかと。
それでも、良い結果を出すために工夫をする。工夫することに意義があるわけで、その過程がスポーツの面白さでもあると思うんです。
自分で工夫し、習得できたことは体が覚えているので、自分独自の?らしさ?というかその人しかできないようなことができるようになるんですよね。
そういうのがプロの選手でも現れるプレーの特徴だと思うんですよね。全て教えられたから上手になるのではなく、教えられたことを工夫して技を作る。そして、思いがけないものを得る。
意外と経験の少ない初心者の方が欲があまりない分、思わぬ上達に遭遇する時があります。とくに子どもはよく見かけます。