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人生に乾杯 8

<訂正、2020年11月6日> 以下にノボキュアの記述があります。今日、担当の方が自宅に来られた際、訂正のお話がありました。正しくは、「現在日本でオプチューンを使う人が約200人、ノボキュアの日本支社は総勢50人」です。僕の担当者は技術職で、技術職は日本で15人、ということでした。関係者にお詫びし、訂正いたします。

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昨日10月7日は妻とっこの誕生日だったが、自身の通院日と重なってしまった。シンガポール時代の友だち(女性)から「『ケーキ、自分で買うのかなあ』と(とっこが)ぼやいていたよ」とSNS経由で知らされた。結婚以来、家族の誕生日当日には最低限ケーキを買って祝ってきたのに。今年はひたすら悔しい。遅くなった帰宅からとっこは慌てて夕食を作り、終わってからは娘と近所に買い物に行ってしまった。帰ってくると、プリンを4人分手に持っていた。みんな美味しいといって食べていたが、とっこの顔はなぜか悲しそう。今日8日、何とかして花束とケーキを揃えた。ケーキは、お昼に夫婦共通の知人と食事をする機会があり、夕方1人になった時間を見計らって購入。また花束は、渡星前の目黒時代に知り合い、最近、奥さんがフラワーアレンジメントを始めたという友だちが、お守り2つと奥さんお手製のアレンジを送(贈)ってくれたもので代用した。

一方、IUHW三田病院での診察、今回は盛りだくさんだった。この日から始まったオプチューンはイスラエル製の電「場」放出器。日本オフィスの女性技術者(と営業担当の計2人)がダンボール箱、キャスターバッグなど機材を用意して三田の病院まで来て、いちから解説してくれた。パナソニックの頭髪剃り(男性用髭剃りの応用バージョン)も付いてくる。主治医の1人、T医師は、技術者の前に滔々説明してくれたから、今回はセットした機器のスイッチを押すだけ。医師の「押し」は「治療開始!」の意味があるらしい。医師はオプチューンの保険収載時点(2017年)から関わってきた人だ。

朝、病院までの道すがら、車中でとっこが学生時代の友だちの勤務先(四国地方)にオプチューンをつけている人がいる、という話をしてくれた。患者数に関する疑問が自身の頭をもたげたので、病院で技術者に聞いてみた。すると、全国で500人程度の利用者(患者)がいて、会社ノボキュアも日本支社15人ほどいるという。東京以西は比較的スタッフが点在しているものの、東京から北は東京から出向いているという。この技術者は「今日もこの後長野なんです」と話していた。付き添いの営業男性は途中で診察室を退出した。聞くけば「あの人はこれから別の病院に営業なんです」。営業か。オプチューンを扱う医師側の条件はというと、「まず病院自体が脳外科の診療をしていること。扱い症例(脳腫瘍初発で術後に体の自由に問題ないなど)の数が一定程度あること」などを挙げていた。「営業」といっても、医療行為自体の保険収載情報や、厚労省の審査状況(厚労省で「クスリ山」と呼ばれる医政局経済課など)を逐一リサーチしなければならず、ターゲットはかなり狭いことが分かる。

オプチューンの知名度はどうか。大阪にいるとっこの義母から読売新聞2020年9月2日夕刊の切り抜きが送られてきたので広げて見てみると、「医なび」(2面)に「手術法進化 脳の機能温存」が掲載されている。私の膠芽腫は「悪性度」が最も高いと記載される。大阪圏内の医大教授のインタビューをベースに作っているようだ。記事にはオプチューンという固有名詞は出てこない。「オプチューンってまだその程度か」と知る。

ちなみに、頭を開くとウイルスが患部に入り癲癇(てんかん)を起こす可能性があり、私は成田に入院している時から抗癲癇薬を処方されていた。車の運転もしばらくは推奨されないらしい。しかし、我が家の場合は妻が運転しないので、そうもいかない。9月初旬に退院して以降、4回はレンタカーを使っている。昔からの習いなので致し方ない。

(写真は10月8日夕食後、自宅にて。ケーキ、ブーケの他、娘が学校帰りに買って来た柚ローション、チョコレートなどとっこが好きなものが並ぶ。続く。)