スクラムにおける役割と理想像
スクラムに出会って十数年、そこにあるコンセプトに共感し、ずっとその考え方にどこか頼って仕事をしてきましたが、最近価値と構造について考えることが増えた関係で、改めて認識したことがあります。
構造を自ら変化させられるチームが理想なのでは?
スクラムガイドで以前は自己組織化、最近は自己管理という言葉で表現されているチームの理想像の一端をよく考えさせられるのですが、理想的な状態とは何なのかということは環境やチームメンバーによって違う部分があるなと感じていました。
一方で、何か共通点はあるんだろうなと思っていた中で、上記タイトルなのかもなあ、と思い始めました。
スクラムマスターはチームの構造を扱う人?
スクラムのスクラムマスターという役割が、まさに構造を扱う人なのでは無いかと思うことがあります。開発プロセスや改善プロセスも構造だし、チームに対して問いを投げかける時に影響を与えるのは個人あるいはチームのメンタルモデル(構造)に対してです。最近はシステムコーチングを学ぶスクラムマスターが多いという話を聴きますが、システムコーチング扱う関係性も構造です。
アジャイルコーチは構造の構造を扱う人?
アジャイルコーチという役割も興味深いです。スクラムマスターあるいはチームが扱う構造を何段か上から構造的に捉え、つまり構造の構造に影響を与えることで、チーム全体のパフォーマンスを主体的かつ持続的に高めるような役割に見えます。構造の構造とは、無意識にある前提や手法的な理論的裏付け、チームが扱う構造そのもの繋がりなどです。構造の構造を扱うのはそう簡単ではなく、色々な意味で熟達する必要がありそうです。
スクラムマスターが不要になるチームが理想であれば
上記スクラムマスターとアジャイルコーチが不要になるチームが理想である、と言われることがあります。スクラムマスターもそれを目指しているということを聴くこともあります。
上記仮説が成り立つとすると、スクラムマスターの役割は、チームが自ら構造を扱い、変化させることで様々なパフォーマンスを高め続けられている、という状態を目指すことだ、と言えると考えました。それが本記事冒頭の話です。
もし構造が扱えないチームやメンバーがいると仮定すると、スクラムマスターはできるように促したりティーチングしたりする必要が出てくるのかもしれません。そして、チームが理解し実践できると、スクラムマスターがやるべきことは減っていくであろうことも想像できます。
上記構造の全体イメージをBalusで書いてみました
https://balus.app/view-models/SjWnJEC-e8RwB5BvSFK9P?targetView=dTl70rYLmVLhN3nT_Tq_t
構造という「見えないものを見る人」
構造というのは、目の前の事象だけ見ていても見えてきません。他の事象とのつながりや何段か深い問いに答えることでおぼろげながら見えてきます。スクラムマスターやアジャイルコーチは目の前で起こったいくつかの事象を見て、経験してきた事象のパターンと合致させ、問題構造を一瞬で見抜きます。
なので、スクラムマスターやアジャイルコーチは見えないものを見ている人たちなのかもしれません。ただ、すべての人がこれができればもっとチームや世界は良くなるはず。見えない構造を見るということをチーム全体でチャレンジしてみるのが良いかもしれません。
Balusはそんな見えない構造をチームで見える化することができるツールです。ぜひお試しください。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?