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『モチモチの木』に大判がある、英語版もある、Tシャツも 

画像:『モチモチの木』大判、23頁から。

『モチモチの木』大判との比較

※「モチモチの木」は「トチの木」のこと。物語は本からどうぞ。

『異国人たちの江戸時代』がB6判(128×182mm)、通常の『モチモチの木』がB4変型(248×287mm)。それらを圧倒的にしのぐ大きさ(450×523mm)である。紙芝居の紙(260×380mmが普通だが)をも大きく上回る。

大判の絵本は、小学校や図書館などで行われる「おはなし会」で使われるという。※本は必ずしも大判とは限らない。

大判は親と子の両方がどうじに見る・読むときには趣が一層高くなるだろう。

また、大判であると、絵の細部や色彩の迫力が際立つかもしれない。『モチモチの木』の絵は滝平二郎によるもので、印象を強く残す。

英語版・斎藤隆介作、滝平二郎絵、サコ・ラクラン訳(2007年)『The Tree of Courage』。※ R.I.C.Story Chest(アールアイシー出版株式会社)は、2002年にジョン・ムーアが設立した日本の出版社、とある。英語版はやや小さめの(218×247mm)。2007年版と2021年版(『The Booyoo Tree』)がある。※訳者は異なる。

滝平二郎の挿絵は人気を博した。『モチモチの木』から挿絵「豆太をじさまが庇い抱く姿」をTシャツにプリントして限定販売したところ、大いに人気を博した。

*エピソードとは言えないが

『モチモチの木』は教材としても使われる。科学的な見識も求められるが。

「シモ月二十日のウシミツにゃァ、モチモチの木に ひがともる。」

※「シモ月」は11月、「ウシミツ」は午前2時から2時30分の30分間をいう。

『モチモチの木』初版では、23ページと29ページに三日月が描かれている。+中表紙も。

参考:

『モチモチの木』の月※上部をトリミングしている

「丑三つ時に三日月が上るのはおかしい」と注文が付き、滝平二郎は不本意を感じたが、月齢を現在のもの(19日頃か)に差し替えた。

三日月は夕刻に見えだし、早々と没する。夜中に見えることはない。月は満月に近づきながら夕刻に見える位置は高くなる。満月は夕刻近くには東の空に昇っていく。※ネットでも月齢を示すとき、必ずしも傾きまでは考慮しないものが多い。

ここで問題なのは。絵本に、「山のかみさまの おまつり」にモチモチの木にひがともる、とある。特別な出来事である。豆太の勇気を求めるシーンに使われる。

物語として不思議なことが起こる。その様子を示すのに「常とは異なる」現象を持ち込んでも、持ち込むことによって、意義を発揮できる。不本意が残る改訂だった。

ちなみに、中表紙(画像は英語版)は審美的。

『The Booyoo Tree』中表紙の次頁

豆太(Mameta)の勇気が試される。