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月に祈る人-コジ

縄文時代、夫婦に子供が生まれた。天真爛漫な男の子に育ったが、やんちゃだった。時に悪ガキに変身した。

動物が好きで、一人で出かけては、連れ帰る。不思議なことに、動物たちはコジに出会うと、おとなしい。蛇でさえ、捕まえられると、ダラーンと伸びておとなしい。

小動物に出会えば、連れ帰る。ウサギにタヌキ、キツネにカヤネズミ、アナグマにハリネズミ、ヤギにヒツジ、シカにロバなど懐きそうな動物を連れ帰っていたが、親がかわいそうだから自然に戻しなさいと言われ、バイバイと手を振って離していた。

ウサギやヤギにヒツジなどは居着いていた。両親が村の中で育てるようになっていた。

ある日、オオカミがやってきて、ヒツジが大けがをした。両親はヒツジを介抱し、怪我が治った。コジも驚き、ヒツジが大けがをした日から、夜になると、月に祈りだした。

「どうか怪我が治りますように」

コジはいつも月が出ていないことに気がついた。月の形も変わっていく。暑くなったり、涼しくなったり、寒くなったり、温かくなっていくと、月は変化して行く。コジは月に祈りながら、無意識に月を観察し始めていた。

ある日、植物を探して歩いているとき、オオカミに似た動物に出会った。まだ幼かった。(群れから外れたのか・・・)コジはじっと様子を見守っていた。その動物は警戒もせず、コジに近づいてきた。家に帰ってみると、その動物は親にも親しげだ。一緒に暮らすようになった。

その動物は「リキ」と名付けられた。リキはコジが出かけるときは一緒に付いてくる。野に行き、山に行き、谷に行き、小川に行き、毎日のように一緒に出かける。リキは外で飼われていたが、コジはウサギがオオカミに襲われたのを覚えていた。家の一角を柵で囲んだ。夜になり、リキの様子を見ながら月に祈る。コジの毎日の日課になっていた。

日が変わり、季節が変わり、コジは毎日月に祈った。月が出ない日も祈った。いつもリキが側にいた。リキはコジが祈る間、垣根の内側で所在なげに彷徨いている。

ある寒い日(冬至の日)、(あの月、去年も、その前の年も、月の位置は、あの杭の上に来る。)コジは不思議に思った。コジは月に祈りながら、月を観察し始めた。

次の年の寒い日に、満月が同じ位置から上がってくる。あの杭の上に。コジが緊張して目を瞠る。リキが側で吠え出す。気がついた両親が家から出てきて、寒い中、清涼な満月を見て、驚く。(北内郭軸線の記録)※実際の記録は弥生時代(下記参照)。

・kojuro「大逆転」・・・本文で月に祈ります。

*ももまろ˚✧₊⁎ Kakuhito⁎⁺˳✧さんが書かれた。『真実を知る、いのちを繋いで』で、琥珀ベイビー『リキ~9つの命を繋いだ運命の犬~』(上巻・下巻)を紹介している。合わせて、同調する。

*琥珀ベイビー(2023年)『【祝☆新作出版】上下巻・二冊同時発売開始しました!!』一般社団法人日本電子書籍技術普及協会。