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うどん好きの色白、そば好きの色黒
※原作:junchan、編作:Goku;言葉の「あや」として。
ある晴れた日の昼休み、学食での定番の風景。
うどんを前にして、素子はちょっと考え込んでいた。「またうどんか…」と、心の中で小さくため息をつく。
「うどんって、どうしても腹が膨れて、損した気分になるんだよね。」
そう思いながらも、仕方なく箸を取った。
その時、隣で笑っているのは、素子の親友、紗香。紗香は蕎麦好きで、昼食の定番も蕎麦。素子がうどんに手を出すたびに、必ず言うセリフがあった。
「だって、うどんばっかり食べてるから、白くて太るんだよ。」
その言葉は、数年前からずっと素子の胸に引っかかっていた。
その頃、学食でうどんを食べるたび、友人の一言が耳に残る。「白くて太る」という言葉に、素子は無意識に反応し、うどんを避けたくなった。
「うどんでお腹いっぱいになると、なんだか損した気分になる。」
それが、素子がうどんを食べるたびに感じる感情だった。
その一方、紗香は蕎麦派。彼女はどこか軽やかで、食べても全然太らない。色黒でスリムな体型も、どこか自信に満ちて見える。
素子は心の中で、ひとりでつぶやいた。「やっぱり、蕎麦派の方がいいんじゃないか」と。
その日の昼休み、素子が意を決して、うどんを食べ終わったとき、ふと、紗香がにっこりと笑って言った。
「素子、今日もお腹いっぱいだね。でも、やっぱりうどんって、色白の人が食べるべきものだと思うよ。」
その言葉に、素子は思わず吹き出し、思いっきり笑った。
「それ、あなたが色黒だから言えるんでしょ!」
素子と紗香、二人はお互いに、食べ物のことでからかい合いながら、笑い合った。