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枯葎(かれむぐら)がギガファイアを
草が密生し、藪をつくり、葎(ムグラ)を形成する。草は、春に芽吹き、夏に生い茂り、葎となる。葎は、冬になりすっかり枯れ果てる。このような様子を「枯葎」(かれむぐら)という。
このような枯葎を詠んだ俳句がある。
[あたたかな雨がふるなり枯葎]
-正岡子規「春夏秋冬」
「枯葎」俳句では冬の季語となる。枯葎は俳句で詠まれて情緒をもたらす。
秋吉台に見られるように、春前に「山焼き」を実施している。 山を焼くことによって、枯葎を焼き、翌春、新しい草の芽がよく出ることを願う。野焼き、山焼きであれば、人為的に草むらを再生するのに役立つことが期待できる。
しかし、このような山焼きは人為的であるが、熱波が続いた場合、葎は水分が蒸発し、また深刻な干ばつ状態が続くと、カラカラに乾いた枯葎は格好の燃料となってしまう。ワイルドファイアが増加している。気候変動による干ばつや熱波などの発生が頻度を増し、今やメガファイアを超えて、ギガファイアとなって人類を襲う。
植物も燃えてしまい、動物や人も焼け死に、居住環境も破壊されていく。このような傾向は頻度を増し、いよいよ大規模火災あるいは手の下しようのないギガファイアとなって人々を襲う。
もはや北半球に限らず、南半球でも起こり、地球全体がギガファイアの恐怖に包まれる危険性が増大している。気候変動による影響が予想外に加速している。