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調布のいあわせ美女:食べちゃいました

画像:https://www.parco.co.jp/blog/detail/?id=574 から。

『カムカムエブリボディ』のシーズン2にクリーニング店の夫役に「村田雄浩」が登場する。村田雄浩を見かけたのは『炎立つ』で安倍貞任(安倍頼時の次男)役で見かけたのが最初である。印象的で妻は記憶に止めたらしい。

妻は『釣りバカ日誌』がお気に入りである。第13作(2000年2月5日:釣りバカ日誌 イレブン)で、印象的なシーンに出くわして以来、「村田雄浩」が出ているシーンを見ると、必ず思い出すようになっている。

釣りバカ日誌にはマドンナが登場する。『釣りバカ日誌 イレブン』では桜井幸子が起用されていた。営業三課の志乃役(桜井幸子)は夜店でウサギのペットを買ったものの、ウサギの処遇に困っていた。伝助(はまちゃん)に相談すると、はまちゃんの釣りの弟子・宇佐美(村田雄浩)がウサギを引き取ることになった。

そのウサギを預かった宇佐美(村田雄浩)は志乃(桜井幸子)にウサギの様子を聞かれたとき、

「食べちゃいました」

志乃(桜井幸子)は卒倒する。

妻は「村田雄浩」が出演しているのを見ると、必ず「食べちゃいました」と小笑いする。

桜井幸子は『高校教師』で二宮繭役を演じている。桜井幸子の清楚な美少女役は印象的で、華やぐ美しさも感じられる。どこか繊細な面を見せるところがある。

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東京出張があり、夕方、調布で子供と待ち合わせていた。パルコの一角にミスドがある。そこで待ち合わせて、夕食を一緒にする。子供はいつも焼き肉屋に行く。しかし、その日はタウン誌で見つけたのか、食べたいものがあるのか、パルコのレストランで食事しようということになった。

エレベーターで上階に上がるべく向かった。ちょうどエレベーターのドアが開いていたので、入ると、若い女性が行き先のボタンを押そうとしていた。若い女性は行く先階のボタンを押すと、やや屈み気味に振り返る。目が「何階でしょう」と言っている。

(桜井幸子?)

頭の中が「食べちゃいました」を思い出していた。

「7階にお願いします」

子供は冷静だ。気を取り直す。振り返った時の若い女性の顔立ちは桜井幸子にそっくりだった。着るものは普通の女性と同じだ。エレベーターで香しい女性に階を聞かれたことは、過去に一度もなかった。珍しい出来事ばかりではなく、妻の「食べちゃいました」の小笑いが重なり、微笑みが漏れるのを抑えていた。頭の片隅で、桜井幸子も「かくやありなん」と。