妻の記録:毎日スイカ+しょっちゅう刺身、時にうな重
昨年(2021年6月中旬)、妻がスイカが欲しいと言った。それほど何が欲しいと言いはしないが、時季でもあり、軽い気持ちで買い物カゴにいれる。
スイカは2,3年前頃からカットスイカを時に買っていた。1/6カット、1/8カットなどが用意されている。スーパーの価格戦略か、価格は498円、398円に統一されている。出始めた時期も最盛期も価格はほとんど変わっていない。喩え、最盛期にスイカが大きくなり、大きなスイカが店頭に並べられても昨年は価格が変わってはいなかった。
桃の季節には、桃を時折買い物カゴに入れていたが、高いこともあり、買い物時を選んでいたようだ。妻は梨も好きである。梨の季節には、梨を買って帰ると喜ぶ。しかし、見ることが好きなのか、しばらくはテーブルの上に陳列されている。
スイカが出始め、一旦買うと、どういうわけか、毎日のように欲しがり始めた。図書館に出かけるというと、「スイカ、買ってきて」と注文が出る。買い物ついでにスイカを手に入れ、持ち帰ると笑顔が待っている。
スイカは妻のものと考えている夫は手も触れない。冷蔵庫を開ける度に、スイカが入っていることは知らず知らず確認している。ほぼ1日でスイカを食べている。スイカがなくなりそうになると、買い物時間にはキチンとチェックを入れる。「スイカもネ」
昨年はスイカの季節が終わるまで毎日のように食べていた。今年は時季になったとき、買い物ついでに、スイカを買って帰ると、「明日も食べたい」という。今年も毎日のようにスイカを食べられるように配慮している。
昨年、刺身が欲しいと訴え始めた。週3回欲しがるときもある。夫がすぐ飽きてしまったので、できるだけ先延ばしをする。刺身の単品は嫌がるので、1皿に4点盛りがあるが、高い。妻も分かっているので、我慢するときがある。これももう2年は続いている。
数年前にうな重を食べさせた。すごく気に入ったらしく、事あるごとに話しを持ち出す。「また、行きたいねぇ」呪文のように唱えることがある。うな重は2回も続くと、しばらく間が空く。言っている本人も口に出すだけで、本気ではない。
昨年、右手を打ち身して料理ができなくなってからは、料理が偏りだしたことをなんとなく感じ取っているのだろう。料理する夫の好きなものが料理される。潜在的に不足を感じた妻が食べ物を偏らせ出したのかもしれない。
右手のリハビリにより料理ができるようになってからも、食べる嗜好は変わらない。
と思ったら、今度は立ち上がり困難になってしまった。テレビを見ていて立ち上がろうとしても身体が重いのか、筋力がないのか、立ち上がるノウハウもない。「介護」という言葉が一瞬頭に浮かぶ。なんとか立ち上がり方を教えるが、足を引きずるように歩く。料理はなんとか出来る。風呂にも入れる。
料理の腕は落ちてはいない。しかし、時に料理を始めるタイミングが遅くなる。痺れを切らして料理を作り始めることがある。
同じ食材が冷蔵庫内外あちこちに入れられ、置かれ、使い残しの食材が腐りかけ、残ったご飯も食器には入れるが、冷蔵庫にも入れず放置。これは腐る。あれやこれやが気分のママに置かれている。なんとしょう。何も言わず、黙々とできる範囲で片付ける。
テレビを見たまま寝ることが多く、テレビ番組が終わると、寝に入る。スイカを食べておけば、表面上は平穏なり。
と思ったら、油断した。残ったご飯を妻は冷蔵庫に入れていなかった。1日以上経つと、まだこの季節(芒種:ぼうしゅ)は食物が饐える(すえる)。匂いが微妙だ。几帳面さのない妻をなじってしまった。妻が悲しそうに怒る。「ガミガミ言われるのイヤ」そう言われれば、引き下がるしかない。寝る頃には怒りも消えていた。ホッと安心する。明日の朝には、スイカを頬張るだろう。