この街のどこかで:千珠はバックシャンBack-schön
「バックシャン」昭和初期の言葉というが、そういえば、使ったことはある。「後姿がきれいな人」和製言葉らしい。
後姿を含蓄する「back」と、「美しい」はドイツ語「schön」から。合わせて、Back-schön、ムズイので、「バックシャン」、なるほど。
「後姿だけはいいんだが・・・」
そんな使い方をしていた人がいたらしい。なるほど振り向けば失望するか。
今では、ファッションで使われるらしい。「バックシャン」といえば、背中のデザインがおしゃれな服か。確かに、背中が空いている服を見かけたことがある。少しまどろっこしいところがある。
横浜に昭和の雰囲気を残した商店街がある。そこに視察で訪れたことがある。当時は「バックシャン」のファッションはなかった。
知人が横浜で結婚式を挙げるという。みなとみらいの近くだった。会場で「バックシャン」のファッションを見かけた。
式を終えて、周りを散策した。前を見た人が通り過ぎていく。追いついて、
「千珠さん、・・・」
呼び止められて、千珠が振り返る。
千珠はいつものシャンschönだった。