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妻の記録:「肉とタマネギの卵とじ」が、「肉とキャベツの焼き肉味」に

「今日は何にする」
「肉とタマネギの卵とじ、にしょう」
4,5回繰り返す。
「夕飯、何にすると言ったっけ」
「肉とタマネギの卵とじだよ」
しばらくして、
「夕飯何にしょうかねー」
「肉とタマネギの卵とじにしょう」
<本当にただただ繰り返します。>
夕刻となった。
「あれっ」
出て来た料理は、はじめてだ。繰り返す会話の中で、
「焼き肉食べたいなぁ~」
と挟んだことを思い出した。

フライパンのまま、出て来た料理は、肉とキャベツを焼き肉のタレで炒めた物だった。初めての料理だ。タマネギも入っていない。副食はこれだけ。漬物の類いは日頃から食べない。贅沢料理の範疇に入り、添え物でもない。味噌汁の類いもスープの類い飲まない。

夕食は一品料理に、少量のご飯の後、菓子パンにフルーツ+ヨーグルトが多い。お茶も飲まない。妻はご飯+副食少し、昼には、料理店の定食を食べることが多い。作るのが面倒と言うことではなく、外食に目覚めている。「どこで食べたかいねぇ」何度繰り返すか。

料理屋でないときは、「刺身が欲しい欲しい」と言い、根負けして買いに出かける。「にぎり寿司がいいわ」とスーパーの買い物ついでに買ってきてしまう。もう自作率は圧倒的に低下している。合間を縫って、自分で料理し、食べる。今夜は「牡蠣とベーコンの焼き物」=キルパトリック、自分で買い出しに行かざるを得ない。

出て来た「肉とキャベツを焼き肉のタレで炒めた物」、絶句したが、表には出せない、ださない。美味しく頂く。いや、本当に美味しかった。量が少し少ない。こんな時にとっておきは「餡餅」だ。冷凍庫で保蔵されている。山盛りのキャベツのチンも多い。それでも痩せない。でも肥えてもいなくなった。

妻の料理は頻度が落ちているが、まだ、味に変わりはない。せめてもの救いだ。