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母の好きな絵画・ラングロワの橋

ゴッホは1888年2月から1889年5月までの15ヶ月、南フランスのアルルで過ごしている。滞在期間中、多くのデッサンをし、多くの作品を残している。

そのデッサンや作品の中に「ラングロワの橋」がある。これを題材にした絵は5枚が知られている。その中の1枚に、「アルルの跳ね橋」と愛称されている絵がある。橋の手前で洗濯する女性たちが描かれている。注)The Langlois Bridge at Arles with Women Washing、1888年、クレラー・ミュラー美術館蔵。

この絵の複製画を母はいたく気に入っており、壁に掛けることも無く、手元に置いておき、時に眺めていた。そんな母を、妻もよく見かけており、残された絵を見て、呟いた。

「おかあさん、この絵が好きだった。」

その絵は色褪せているが、今は展示用のイーゼルを買い求め、それに掛けている。

注)Ronald Pickvance, 1984, Van Gogh in Arles, Metropolitan Museum of Art, 162-163、ロナルァ・ピックヴァン著・二見史郎訳(1986)『アルルのファン・ゴッホ』みすず書房。

・ラングロワの橋は昔の位置の近くに復元されており、https://goo.gl/maps/Act5Q8j9wyczAE4D9で見ることができる。

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