読書メモ:人種の成人年齢は?
画像:下記書の目次
人類は、東アフリカの大地溝帯で生まれ、アフリカから移動していったと言われる。ホモ・アンテセッサー(Homo antecessor:パイオニアの意)が80万年前にアフリカ大陸を出て行ったと推計されている。
ホモ・アンテセッサーは、外観上、現生人類と似ていると言われる。しかし、頭蓋骨、したがって脳の大きさが幾分小さかった模様。
頭蓋骨と脳の大きさの違いは、消費エネルギーと成熟度合いに差となって出てくる。
ホモ・アンテセッサーの消費エネルギーはホモ・エレクトロスに比較して少ない。さらに、ホモ・アンテセッサーの成熟度合いはホモ・エレクトロスに比較して早い。ホモ・アンテセッサーの成人になるには8歳から9歳で済んだ。しかし、ホモ・エレクトロスが成人に達するには、12才まで必要だった。*残念ながら、下記書に典拠はない。
この差は繁殖期間の差となって現れる。繁殖という点では、ホモ・アンテセッサーの方が成人としての機能を早く発揮できる。しかし、人類の脳は、受精後成長し、誕生してからも大きく成長する。脳成長は、成熟度合いが遅い程高いはずである。
ここでは、後の人類の制度的成人年齢は高く設定しているが、人類の成人に達する年齢は、ホモ・アンテセッサーよりも遅いが、意外と早いことになる。
※このメモは下記書から敷衍して考えたものである。下記書の目的の本の一部である。
*アンドリュー・レーダー 著、松本裕(訳)(2022)『越境と冒険の人類史:宇宙を目指すことを宿命づけられた人類の物語』草思社。