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「80才の壁」あるいは「80才の平均余命」89.18才(後、9年+)「70才の平均余命」15.96才(後、16年弱)
*書評の類いではありません。書名を目にして、日本の平均余命を考えてみました。
「和田秀樹(2022)『80歳の壁』幻冬舎新書」がベストセラーという。広告に、「人生100年時代だが、健康寿命の平均は男性72歳、女性75歳。80歳を目前に寝たきりや要介護になる人は多い。」とある。*注意>0才児の平均余命とは違う。0才児の平均余命は男性84.11才、女性87.47才(いずれも令和元年の数値)さらに注意>タイトルの年齢とも異なる。
また、BOOKウォッチでは、「80歳を過ぎたら我慢をしない」という生き方がいい、として講評をしている。(BOOKウォッチ編集部による)
「日本人の平均寿命は、男性が81.64歳。女性が87.74歳(令和2年調べ)。80歳を超えた人は、やはり幸せと言うべきだろう。」には注文がつく。
注>男性の場合、あと1.64年しか生きられないというわけではない。女性の場合、あと7.74年しかいきられないというわけではない。
人は生命体である。生命体を定めている形質からは逃れることはできない。人は最終的に(機能)不全になれば、死亡することになる。*ここでは、機能不全を生命体維持ができない状態として考えている。
*理解の難しい「不全」:物事の状態や活動のしかたが完全でないこと。
人は基本的に年齢を重ねていくと、「衰弱」、「ガン」や「認知症」をかなりの確率で患うことになる。ここでは、死んでいない数値として記す。
各才別の平均余命は、厚生労働省「簡易生命表」から得られる。「簡易生命表」には年齢ごとの平均余命が記されている。
厚生労働省「簡易生命表」の表1を示す。
これにより、0才、60才、70才、80才の平均余命をあげると次のようになる。
0才の平均余命(令和2年)は、男性81.64才、女性87.74才である。
60才の平均余命(令和2年)は、男性24.21才、女性29.46才である。現在、60才の男性は84.21才まで平均的には生きることになる。平均では、女性は89.46才まで生きることになる。
*0才と比較すると、平均余命は長いことになる。男性は2.57年、女性は1.72年ほど長い。
70才の平均余命(令和2年)は、男性16.18才、女性20.49才である。現在、70才の男性は86.18才まで平均的には生きることになる。平均では、女性は90.49才まで生きることになる。
80才の平均余命(令和2年)は、男性9.42才、女性12.28才である。現在、80才の男性は89.42才まで平均的には生きることになる。女性は平均では、92.28才まで生きることになる。
注意しなければならないのは、80才の男性が89.42才まで生きると(実際には刻みとなる)、後5年近くは生きることになる。さらにとなるが、省略。ただ、類類となる過程で、死亡者も出ている。平均であって、個人のことではない。
大まかに言えば、80才の男性は90才近くまで50%位の人が生き残り、女性は93才近くまで生き残ることになる。50%の人はそれまでにある割合で亡くなっていく。ただし、健康であるかどうかは別である。
*計算などが思わず間違っていることもあるので、注意。
*要は0才の平均余命は、80才の平均余命ではない。