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ヒトの子、物憂げな夕刻を暖めるか、温めるか。

画像:ImageFX、ちょいと加飾だが。火の発見の物語童話風。

昔、むかし、ずーーと昔。

ある村に探検好きのヒトの子がいました。食べ物を探しながら歩き回っていました。夕暮れになり、父母の住処に帰り始めました。夕焼けがきれいです。でも、次第に暗くなっていきます。ヒトの子は少し寂しさを感じます。もう1日の終わりだ。また、寒い季節が来るな。所在投げに歩いて帰ります。

ヒトの子は、群れの外れで一人きりで歩いていました。日々の探検に胸を躍らせながらも、今日はどこか心の中に空洞を感じていました。夕暮れ時、空はほんのりと赤く染まり、遠くの山々がシルエットとなって浮かび上がります。その美しい光景にも関わらず、ヒトの子はひとしきり寂しさを感じていました。

「夕焼けはきれいだけど、もうすぐ夜になる・・・」

ヒトの子は足元を見つめながら呟きました。空が赤から紫へと変わり始めると、周りの世界がだんだんと色を失っていくような気がしました。木々の影が長く伸び、風がひんやりと肌を撫でます。その冷たさに、心の奥底にも冷えたものが広がっていくような気がしました。

「もう一日が終わるんだな・・・」

ヒトの子は歩みをゆっくりとし、足元の草を見つめました。夕焼けの温かみもすぐに消え、あたりの風景が急に寂しさを帯び始めます。空が深く暗くなり、村の灯りが少しずつ見えてくるものの、その光もどこか遠く感じられました。

その光もどこか遠く感じられました。ヒトの子は、暗くなる空の下で、歩きながら不安な気持ちが少しずつ増していくのを感じていました。しかし、突如として、右手から焦げ臭いにおいが漂ってきました。風に乗って、どこか異質な匂いが鼻をつきました。ヒトの子は、立ち止まり、そのにおいの源を探し始めました。

その時、ふと足元の先に、赤く鈍く光るものを見つけました。初めて見る光景に、ヒトの子は驚きと好奇心が交錯します。それは、まるで木の一部が焼けて炭のようになり、穏やかな赤い光を放っている様子でした。炎はもう上がっておらず、ただ赤黒い炭が静かに、けれども力強く光を放っていました。※隕石の落ちた後、火事の後、あるいは天のいたずら。

ヒトの子は恐る恐る、その赤い光に近づきました。温かさを感じ、そして少しの熱さも感じます。それでも、寒くなり始めた空気を温めているようで、心地よさもありました。赤い炭の色が、冷えた手のひらに触れる前に、温かいものとして、ヒトの子の中に広がっていくのを感じました。

「これは・・・」ヒトの子は思わず声を上げました。そして、目の前に落ちていた枯れ葉を拾い、その赤い炭の中にそっと放り込んでみました。すると、ポッという小さな音と共に、炎が立ち上がります。その瞬間、ヒトの子の目は輝きました。「明るい!」

その炎の明るさに、ヒトの子はもっと何かをしたいと感じました。近くの蔓を拾い、石を集めて、小さな囲いを作り始めました。「これで、この赤いものを持って帰れるんだ!」ヒトの子は胸を高鳴らせ、慎重に木切れを手に取りました。赤い炭を一つ、二つ、三つと慎重に集め、手に持ち、そして家に向かって歩き始めました。

家に着くと、父母は驚き、妹は怖がって泣き出しました。母はすぐに妹を抱きしめて保護し、父は驚いた表情を見せましたが、ヒトの子が持ち帰った赤い炭を見て、その暖かさに気づきました。父はしばらく考え込み、やがて言いました。

「土を丸く掘って、そこに置いてみよう。」

その言葉通り、父は土を掘り、男の子に赤い炭を置くように指示しました。父親もまた好奇心が強く、興味深そうに見守っています。家の「茅」を少し取って、父はそれを焼き始めました。ヒトの子は外に出て、枯れた木の小切れを集めてきました。草を赤い炭の上に乗せると、煙が立ち上りました。その煙を見て、ヒトの子は、乾いた木がどれほど大切かを実感しました。「乾いたものを選ぶんだ。」父も男の子も、大きな木の枝は危険だと避け、慎重に小さな木を使いました。

その晩、父とヒトの子は交代で寝、赤い炭を守るようにして過ごしました。火が静かに、けれども確かに家の中を温め、二人の心にも温もりを与えてくれました。寒い夜、外の冷たさが深まる中、家の中には静かな暖かさが広がり、ヒトの子は安心して目を閉じました。

さぁ、これから料理をどうするか。