くどうれいん 「桃を煮ないで・・・」
*ドラフト・変曲多し。
シーン:パン屋
場所:
・昔ながらの街並みに佇む、小さなパン屋
・木製の看板には「パン工房・モモ」と手書きの文字が温かく掲げられている。
・店先のガラスケースには、伝統的なパンが几帳面に並ベられている。
登場人物:
・女性パン職人: 優しく穏やかな笑顔が印象的な、20代中頃。
・くどうれいんを思わせる女性客・たおやかなそぶり
・女性客が一人、パンを物色している。
時間:
・金曜日の午前10時過ぎ
売り場・シーン:※表現が未分明。
・主婦がパンを物色している。
・女性客が片開きドアを押して入店。
女性客:(嗅いだことのあるにおいだわ)
主婦:一緒に厨房の方に目を向ける。
厨房では、桃を煮始めたところだった。桃のデニッシュでも作るのだろうか。
主婦は思い直してパンを物色し始めた。
女性客はトングを持ったまま立ち尽くし、桃を煮ている女性パン職人を懸想した。
思わず、頭の中で呟く。
(桃を煮ているなぁ)
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女性客(クレア)は先日、桃を煮たばかりだった。桃を煮ている途中、同居人が匂いにつられてきたのか、「桃を煮ていますなあ」と謎かけする。
クレアは、若い時、浅い夜中、桃シロップを作っていた。早寝していた母が匂いに釣られて階段を降りて来た。背後から声を掛ける。
「なんだ、恋か」
クレアは慄いた。(ばれていたのか)
「若い女が夜に桃を煮ていたら、恋でしょうが」
母は「お休み」代わりに言葉を残していった。
「桃を煮ているなぁ」
---おまけ
かの女性・パン職人も恋しているのだろうか。
「彼女」という言葉ができたのは新しい。「彼の女」は江戸時代頃か。所有格の「の」を取り去って、「彼女」(かのじょ)という言葉が思い浮かぶが。
明治時代に英語(she)やフランス語(elle)などで語られるとき、相当する語がない。翻訳して「彼女」をあてた。単に女性を意味する言葉だ。
多くが使っている「彼女」はなに。彼女でもないのに、「girl friend」と言えないのかな。※意味不明だなぁ。