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ツツジの落とし文

ツツジには花が葉よりも先立って咲く種(しゅ)が多い。花が咲いてまもなく、写真を撮ろうとすると、薫風のはずが、比較的強い風が吹き、焦点を合わすことがなかなか難しい。しかし、5月半ばになると、花を咲き終えたツツジに若葉が伸びてくる。

若葉の時期は昆虫にとっては産卵の時期である。ツツジの若葉がクルクルと巻かれ、まるで「落とし文」のようである。この折りたたんだ葉巻模様のクルクル巻かれたものを「揺籃」(ようらん:ゆりかご)といい、オトシブミはこの中に産卵する。周りに毛が沢山見えるが、これは「腺毛」(せんもう)と言われ、ツツジの若葉に腺毛が付くものがある。このツツジはミツバツツジ系の雑種であり、葉の縁を中心に腺毛が多い。

落とし文の揺籃は4~5日で地面に落ち、オトシブミが新しい世界に闊歩するようになる。オトシブミがツツジの葉を伝わって移動する様は可愛く、駆除する気持ちにはなれない。よく目にするのは雌である。オトシブミの身体の色は黒色か茶色いであり、黒い方の脚は茶色であり、茶色の方は頭部分と脚が黒い。残念ながら、黒い方しか見たことがない。

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画像:wikiから。オトシブミの成虫。

注)「落とし文」は人目につきやすい所に落としておく手紙の一種で、公然と言えないことなどを書いておく。政治批判や社会風刺、時には政治目的で行われる「落書」もある。密かに恋しい人に托す手紙を落とし文として利用することも記されているが。

落とし文を模した和菓子が伝統的に作られている。「おとし文」あるいは茶の湯の菓子として「落とし文」などがある。これらの和菓子を選び、小粋なメモ用紙を添えて贈るのはいかがでしょうか。

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写真:https://www.omotesenke.jp/chanoyu/7_8_21a.htmlから。

もう一つの「おとし文