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Greedか、Wantsか、それとも

「Greed, Greed, Greed,・・・」

ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)のセリフが耳に残ってしまった。1987年制作・映画「Wall Street」(オリバー・ストーン監督)での、セリフだ。あまつさえ、憤懣を残してしまった。

「Greed is good.」(貪欲は善である)

Greedを訳すのは難しい。wantsはよく「欲求」と訳されるが、greedを「強欲」に訳すには抵抗感がある。※解答はない。

映画の中で、ゲッコーが自らのビジネス哲学を説明するシーンで、繰り返し発言する。

経済的成長や革新を促進するのは、強欲や貪欲や利益追求であり、そうすることが、社会全体にとって有益である。

アメリカ経済は1950年代・1960年代の黄金時代を受け、1970年代後半にグローバル化の洗礼を受けて停滞するが、1980年代になると、ウォール街の過剰な企業文化・金銭的欲望が象徴となり、ゲッコーの言葉は、その時代の経済的価値観を反映している。

「資本新世」の円熟期の始まりかもしれない。

---「Wants」は日常的な欲望(中立的)で、「Greed」はその欲望が過度で倫理的に問題がある、と考えられている。

※宗教や哲学、倫理の文脈では、しばしば否定的に扱われ、道徳的な欠点としてみなされる。

※キリスト教の七つの大罪の中でも、greed(強欲・貪欲)は、過剰な物質的欲望や富の追求を表している。経済学や社会学でも、貪欲が不平等や環境問題の原因とされる。

※ポピュラーカルチャーや文学でも、強欲・貪欲がキャラクターの欠点や物語の衝突を生む要素として描かれる。