石野卓球と石原洋の類似点
久々に記事を書いてみます。
最近テクノをよく聴くようになりました。
今までは電気グルーヴくらいしかまともに聴いたことがなかったのですが、
数ヶ月前に恵比寿Liquid Roomでテクノ系のDJを聴いてからというものの
中古CDショップでテクノのCDをジャケ買いする日々です。
今まで60~80年代のロック・ポップスばかり聴いてきて、
むしろクラブシーンで流れるような音楽はそこまで好きではなかったはずなのに、なんで急にハマったのだろう?と疑問に感じておりました。
しかし、ある時私が音楽を聴く上で影響を受けた2人の人物を
紐解いていくと、テクノにはまるのは必然だったということが判明したため
そのことについて書いてみようと思います。
上記に記載した通り、私が音楽を聴く上で大きく影響を受けた人物が
この記事のタイトルに書いてある石野卓球と石原洋です。
石野卓球は恐らく日本で一番有名なテクノユニットであろう
ご存知、電気グルーヴのメンバーとして活躍し、またソロとしては
世界各国のクラブシーンでDJとしても活動している、テクノシーン日本代表みたいな人物です。
一方、石原洋は名前を聴いたことがない方が多いかもしれませんが、
80~90年代に日本のみならず、ヨーロッパでもカルト的人気を誇った
サイケバンドWhite Heavenの中心人物です。
(White Heavenのアナログ盤をずっと探しているのですが、中々見当たらない。。)
当時は一部の界隈にしか有名ではなかった彼が一躍知れることになったきっかけがゆらゆら帝国のプロデュースです。
ゆらゆら帝国第4のメンバーとも言われる彼のプロデュースにより、ゆらゆら帝国は幅広い音楽性を獲得し、日本ロック史上に残る大名盤「空洞です」が誕生したと私は考えております。
石野卓球と石原洋、私はこのお二人によって音楽の聴き方が大きく変わりました。
このお二人、ジャンルは違えどとにかく様々な音楽に造詣が深く、
またそのアルバムが発表されたことの経緯や文脈にまでさかのぼる、
一つの楽器の音色、エフェクトが楽曲に与える影響まで考えて音楽を聴くのです。
とりあえず雑誌で名盤とされているような音楽をなんとなく聴いていた
当時大学生だった私にとって、このお二人の音楽の聴き方は衝撃的でした。
それ以来、ただ「聴く」だけではなく、文脈や音色を意識するようになり、
より音楽の世界が広がったように感じてます。
話は戻します。テクノシーンの石野卓球とロックシーンの石原洋、
活動しているシーンが異なるこのお二人の関係性を紐解くには学生時代に遡ります。
石野卓球は1967年生まれの50歳、石原洋は年齢不詳ですが、恐らく大幅に年齢が離れていることはないと思われます。
お二人は学生時代に同じ傾向の音楽を好んで聴くようになります。
キーワードは「ドイツロック」「インダストリアル」です。
石野卓球は学生時代にKraftwerkやThrobbing Gristle、ノイバウテンといった音楽を聴いていたと様々なインタビューで答えており、
石原洋は音楽レーベル「PEDAL RECORDS」のTwitterで「ドイツロック今は昔」と題して、ドイツロックの国内盤レコードや当時のレコード会社についての傾向を投稿していたり、
自身のブログでかつて熱心に聴いていたドイツロックの紹介やブログの投稿したタイトルにThrobbing Gristleのベストアルバムである「Entertainment Through Pain」と題していたりと
全く異なるジャンルで活躍しているお二人ですが、学生時代に音楽の趣味・趣向が交差していたことが分かります。
ここからは私の推測ですが、
恐らくお二人は同ジャンルの音楽を聴いてはいたものの、別の角度からこれらの音楽を評価し、聴いていたのではないかと思います。
石野卓球はシンセの音色やリズムの面からこれらの音楽を聴いて後に人生、
そして電気グルーヴを結成させてテクノの道へ進み、
石原洋はこれらの音楽を演奏する必然性(精神性)やその音楽の実験性の面からこれらの音楽を聴き、同じ面を持つサイケを評価し、後にWhite Heavenを結成、ゆらゆら帝国やOGRE YOU ASSHOLEのプロデューサーとしてロックの道で活躍します。
つまり、石野卓球と石原洋はかつて同ジャンルを好んで音楽を聴いていたが、
少しの聴き方の違いでテクノとロックに分かれていったのではないか、
そのため今テクノにハマっているのも、今まで聴いていた音楽から
何かの影響で少し違う角度から音楽を聴けるようになり、その結果テクノを好んで聴くようになったのでは?
というのが私の結論です。
ちなみに石野卓球はゆらゆら帝国が好きで、自身のMixCDに
ゆらゆら帝国の「ボタンがひとつ」を収録していたり、
現在多くの音楽好きから評価されているバンド、D.A.N.がお二人とも好きで、石野卓球はインタビューでFUJI ROCK FESTIVALで観たいミュージシャンとしてD.A.N.を挙げ、「彼らはむちゃくちゃかっこいいね。俺CD買っちゃったよ。」と発言し、
石原洋は音楽サイトototoyでD.A.N.と対談しているのが個人的に非常に感慨深いです。
いつかお二人の共同作業があれば面白いのにな、と夢見ています。
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