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伊豆トレイルジャーニーを走った一人の感想。乾燥がすごい。
伊豆トレイルジャーニーを走ってきました。
公式ホームページ:
こんなコースです。公式サイトから。
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距離:69.1km/累積標高差 (+)3,242m、(-)3,162m
スタート地点:松崎新港(静岡県松崎町)
フィニッシュ地点:修善寺総合会館(静岡県伊豆市)
制限時間:14時間(6:00~20:00)
エイド数:3箇所
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スタート前
トイレの列に並んでいたら、前にウルトラランナーみゃこさんがいて、握手しました。
Tシャツ一枚で寒くない?とお声を掛けていただきました。
トイレの前の女神様でした。ありがとうございました。かろくんもいました。
第一エイドまでの最初の26km
ほぼロードと林道です。
ロードが苦手な自分にとっては、ラーメンの上に乗っている最初の大量のモヤシだけを食べている、そんな感じです。
スタートから 約 6km はロード、宝蔵院までの 約 3.5 km がトレイルです。
宝蔵院から八瀬峠までの 3.6 km がトレイル、諸坪峠までの 8.1 km が林道です。この林道は確かコンクリート率も高かったです。引き続き こがね橋 までの 4.6 km も林道で、コンクリート多めです。
19 km がロードと林道、トレイルは 7 km ということになります。
コース作成者の意図としては、最初にロードを多くしてダメージを残させたいのかな、と思いました。
高反発で筋肉の同じところを刺激してくるロードは、ダメージの時限爆弾です。
走りやすいので、つい走ってしまうという、釣り師の面まであります。ラーメンにモヤシが乗っていると食欲が出るのと同じです。
モヤシでもう、お腹いっぱいです。
食いきれんよ・・。
ここは試走してなかったので、モヤシについては何も知りませんでした。
なお、宝蔵院と諸坪峠にトイレあり。八瀬峠は、忘れました。
20km 地点、寝不足による足攣り
前日は 23 時に寝て、翌 1 時に起きているので 2 時間睡眠です。
夜型人間が前泊なしの弾丸で参加しているので、睡眠が少ないのはやむなしです。本当はもう少し睡眠を工夫するべきなのでしょう。
日中にフクロウ🦉を叩き起こしているようなもんです。ほうほう。
夏に笊ヶ岳(ざるがたけ)に登った時にあった「睡眠不足の時に右足のふくらはぎが攣る」が、20km 地点で再現しました。(笑)
いやいや、あと 50 km あるんです。笑えないです。
ふくらはぎが、本当に痛い。中3で初恋が破れた時の心ぐらい痛い。
ここでリタイアも考えたものの、今年最後のレース、憧れだったレース、稜線からの美しい富士山を見ずには終われない、と思い続けることにしました。富士山、会いに行くからね。
何より、クレイジーかろさんが ITJ の Youtube 動画で、足が攣りそうになりながらも、素晴らしいタイムでゴールしていたのを思い出しました。
去年、ランニングを始めたばっかりの時に応援に来たレース、今年は当事者として完走したい。
レース中のトラブルにしっかり対処しながら、安全にゴールしたい。恋路にトラブルは欠かせないんだからね・・。(それはいったい)
前向きな気持ちが強くなります。
この辺りで、目標が「完走」に変わりました。完走して、感想戦をしたい。
攣りの原因として他には、テーピングのちょっとしたズレとか、先週に足の角質を削りすぎたとか、もあります。
角質による、足とシューズの確執です。反省ですね。
26 km 地点、こがね橋エイド
こがね橋エイドまでのロードの下りの負荷が高すぎて、さらに 10 回くらい攣りました。河口湖のバス釣りだったら大当たりです。短い時間のうちに、いっぱい攣り(釣り)ました。やっぱりコンクリートロードは釣り師だったのです。そしてコンクリート・ロードといえば、天沢聖司くんなんです。(それはいったい)
ここで、ふくらはぎの負荷を減らすために、足を内向きにしてみたり外向きにしてみたりしました。これが後々、足首の痛みの種になることは何も考えていません。
エイドでリタイアするか悩みましたが、スタッフの人たちがめっちゃ元気で、応援ムードが半端ないのです。バナナあり、コーラあり、ポテチありでした。お姉さんが笑顔でゴミを回収しています。
笑顔でゴミを回収してくれるお姉さんがいるのは、トレランの大会くらいです。そんなお姉さんたちに、私の回収までしてもらって、たまるか!
雰囲気に押され、気づくと二本杉峠に向かって走っていました。
二本杉峠まではトレイルです。
そう、ここからは足に優しいトレイルなのです。
29 km 地点、二本杉峠
調子に乗って、「抜きます!」と言って、前の人を抜こうとして、また攣りました。本当に恥ずかしかったです。優しいお姉さんが「あら。タイミング悪かったのね」と慰めてくれました。あ〜僕もう、リタイアしたいな、そう思いました。
右足のふくらはぎが攣るのは、おそらく気持ちが張り切った時に無意識に使ってるのだと思いました。
小学生の男子が好きな女子の前で、「俺が本気出したら・・」と強がりを言ってしまうのと同じです。(それはいったい)
二本杉峠から先は試走したので、コースがわかっている安心感がすごくあります。マリオカートで初めてのコースをプレイした時の、2周目の気分です。気を付ける場所が分かるんです。それでも後ろから足音が続々と迫ってきます。
35 km 地点、猫越峠
足が攣りまくってるので数百メートルごとに止まる必要があるんですが、なにせ山肌を巻く狭い道です。
しかも 1000 人以上の参加者がいます。
1. 走ってて、足が攣る
2. 後ろの人々が詰まってくる
3. 避けれる場所を見つけて、止まって伸ばす。
4. コースにまた合流する
この繰り返しで、精神がえぐられます。
私がこのプロジェクトのボトルネックだ。私を抜いたらまた、次のボトルネックが出てくるよ。そういうことさ。
1. 山に来て、こんなに多くの人に気を使わなくてはならない状況が辛い
2. 足を攣った自分が悪い
3. 走らなければ日が暮れる
4. 早くゴールしよう。それがメンタル面では最適解。周りの人に道を譲りながら、とにかく走ろう
この繰り返しです。
ガンダムのプラモデル工場でバイトした時に、部品の入れ忘れをして、ラインを止めてしまった時のことを思い出しました。
1. 部品を入れ忘れる
2. ラインが止まる
3. 大御所のバイトに怒られる
4. 部品を入れて再開する
5. ラインが動く
6. 1 に戻る(部品を入れ忘れる)
・・・
ここでカフェインを入れて、少し元気を出します。
電解質も多めに補充しました。
昨日寝る前にニューハレのふくらはぎのテーピングを見ていたので、思い出してやってみます。
40 km 地点、仁科峠
12時34分にエイドに到着。
1234だ〜。
そんなのはいいんです。
ここで嬉しいのが、なんと、攣りが結構、治まりました!!!!
多分これ、ふくらはぎのテーピングと電解質が効いてきたぞ、と思いました。
このエイドではうどんがあるんですが、行列なのでスルーして「俺は摂取す」のゼリー3個と、あんぱん、クリームパンを食べました。
土肥駐車場までは、景色も道も好きなので、なんとかなります。
ここが一番楽しかったです。
とはいえ、たまに思い出したように攣ってきます。あの日の一個のミスで、ずっと責められるんです。伊豆の稜線で、筋肉に対して謝罪会見を開催するしかないのです。
51 km 地点、土肥駐車場
今回の裏テーマとしては「登りを全体的に走る」というのがありました。理由は「登りを走りたかったから」です。(それはいったい)
この駐車場までのロードも、ある程度は頑張って走りました。
他、59 〜61 km 地点にもロードの登りがあり、そこも走っています。
このあたりは、かなり成長したのかなと思います。ドヤ顔で書いています。
攣りの関係でロードの下りは絶対に走れないのは致命的ですが、登りは走れるんです。
そしてここから戸田峠までは絶景ゾーンです。稜線と海と富士山、まさに麺とスープとトッピングのハーモニーが繰り出されます。
その景色は、ラ王を初めて食べた時くらい衝撃です。
カップ麺で例えるのかーい。
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56 km 地点、戸田峠
絶景の達磨山、小達磨山を越えて、戸田峠の少し先にある登りを走り終えたところで、この大会のほとんどの登りは終わります。59 〜61 km 地点にもロードの登りがありますが、ほんのちょっとです。
ここからのメインは林道とロードの下りです。つまり攣るので走れません。
ここで私の気持ちが切れました。スープまで飲み干したのです。
ごちそうさま。
12 時間切りを狙っていると話かけてきたお姉さんと、途中までご一緒して、下見時のコースの様子を説明しました。最後の下りに入ったところで👋しました。12 時間切れているといいです。
レース中、男性はあんまり話してくれないんですが、女性は結構お話してくれます。ありがてえ。
さて、長らくふくらはぎをかばった結果、足首の筋肉が攣り始めています。
そして、左足を使って歩いて下り続けた結果、左の腸脛靭帯が悲鳴をあげています。
歩くのも辛いレベルですが、たった 10 km 歩けばゴールなので、私はよちよち歩きます。満腹でラーメン屋から帰るときの歩きです。
66 km 地点、日陰山出口
1時間以上かけて、なんとか下山しました。
あと 4 kmです。日がないのでめっちゃ寒い。さすが日陰山。おまけに、最後のロードではマメができました。めっちゃ痛い。先週に足の角質を削りすぎたせいです。反省ですね。親指の下の角質は削っちゃダメね。
超痛い。
北島康介さんのモノマネで言っています。(それはいったい)
左膝の外側、右足のふくらはぎ、右の足首、加えてマメ。本当に満身創痍です。
痛み全トッピング。痛みのラ王。
ロードなので、応援の人が多く、「最後くらい走りましょう。」と言われるんですが、絶対に無理でした。お前らの期待に添えなくて、すまんな。でもな、これが女の子なら話が違うぞ。
最後に、ゴールの前 10m くらいだけ走りました。
トナカイの被り物をしたお兄さん2人が、やけに笑顔で応援してくれたからです。
69 km 地点、ゴール
非常に痛々しい感じでゴールしたので、救護所に行くことになりました。
大会プロデューサーの千葉さんが優しく声を掛けてくれたので、間違ってプロポーズしそうになりました。
救護所では、何人ものスタッフに注目を置かれた一人の汚い男性(私)が、ただただ事情を話しながら座って暖を取る、という不思議な世界が待っていました。
頭が回らないので、勧められるままにレインを重ね着し体を温め、マメに絆創膏をはり、予備の靴下を上から履きました。
そして腕立て伏せをして、さらに体を温めました。
右足に履いた靴下に「L」と書いてあるのを指摘され、「これが L サイズって意味だったら許されるんですけどね。」などと、意味不明なことを話していました。
救護スタッフの「 R がレギュラーで、L がラージだったら良いですよね。」と面白いフォローが入り、現場は和やかな雰囲気となり、ことなきを得ました。本当にありがとうございました。
心が救護されました。
ゴール後
「鏑木さんと握手する」イメージだったところ、救護スタッフと談笑する楽しいひとときを過ごして、気持ちがほっこりしていました。
ゴール前に行ったら鏑木さんがいたので、写真を撮ってもらいました。
鏑木さんに「良いコースでした」と一言、伝えました。
「ああ、良いコースだったか。」と言っていました。
「伊豆トレイルジャーニー」だから、「良い旅でした」とか、そういう表現が的確だったのでしょう。後日謝罪会見を開こうと思いませんでした。いや、思いました。
https://www.instagram.com/tsuyoshikaburaki/p/DDRkKK-ygjH/?img_index=1
まあ本当に、ヤラカシが多くて、笑いにも消化しきれないという感じです。
次回はもっと気持ちよく、軽やかにゴールしたいと思いました。
総じて反省の多いレースでした。大いに改善の余地がありまっす。
でも、色々なことを試してみて、分かったことが非常に多かったレースで、参加してよかったなと思いました。
では!