育休を取らないという意思決定をした話
突然ですが、年明けに次女が生まれます👏👏👏
3年前、私は長女が生まれたタイミングで3ヶ月間の育児休業を取得しました。そして、年明けに2人目が生まれるこのタイミングで、育休を取るかについて妻とも相談しながら考えてきました。
結論、今回は育休は取得しないことを決断しました。なぜその意思決定に至ったのか、自身が置かれている環境の変化による育休に対する考え方の変化について書いてみようと思います。
ちなみに、2020年の4月にキャリアチェンジと共にnoteを始めて、ビジネス関連の学びを中心にブログを書いてきました。
これまでのview数ランキングを見てみるとTop2が育児ネタ(育児ネタは2つしか書いてないので2/2)という結果に驚きました。意外と男性育児ネタは読み手がいるということがわかったので、何気ない気づきや自分の考え・経験を発信していこうと思います(ビジネス用に始めたんちゃうんかい)。
これまで一番読まれている記事を貼っておきます(育児 × スタートアップネタです)
話の前提
この記事を書くにあたり、いくつか前提を記載しておきます。
我が家は共働き、妻もフルタイムで仕事をしている
私は既に一度育休を経験している
私が働く10Xでは育休取得の制度や文化が浸透しており、男性育休取得率は100%
育休はなんのために取るのか?
育休を取得する理由は色々あると思います。パッと思いつく限りでも以下が挙げられます。
先日、10XCEOの矢本さん(@yamotty)と立ち話をしていた時もこんなやりとりがありました。
過去を少し振り返ると、私が3年前に育休を取った時も明確な理由がありました。当時を書いたブログには、こう記されています。
私は当時、母乳をあげること以外は妻と対等でいるという目標を掲げて育休を取得し、結果としてやっぱり母親には敵わないことを日々痛感していますが、今は育児・家事を完全分業制にして頑張っています(週2回はお迎え → 食事作り → 夕食 → お風呂 → 寝かしつけを一人でやります)。
育休取得の環境変化
前回育休を取得した3年前と今では、育休取得の環境はずいぶん変わったように感じます。世の中全般として育休取得率が上昇していることに加え、私自身の身を置く環境にも大きな変化がありました。
3年前に育休を取得した当時、私はまだ総合商社に勤務していました。自分が育休を取ることを周りに伝えると、「すごいね、珍しいね」という反応が大半。それもそのはず、数百人いる本部の中で、歴代で育休を取った男性は私の前に1人のみ。既定路線では”育休は取らないもの”という雰囲気がありました。
そんな中で自分なりに育休をとることの意味を考え、勇気を出して上司に相談したことを今でも覚えています。
一方、今回育休を取らない選択をしたことを周りに伝えると「なんで?意外!」という反応が多数でした。前述の通り、10Xには男性が育休を取得する文化があり、周りの友人も私が週2回ワンオペしていることを知っているので、育休は当然取るものと思っていたようです。
しかし、育休を取ることは当然なのか?という漠然とした疑問があり、前回とは異なる環境に身を置くからこそ、今回は異なる視点で育休を取る意味について考える機会となりました。
前回の育休
大前提として、育休は取って本当に良かったと思っています。むしろ取らなかったらどうなっていたのだろうとゾッとするくらい。子供に対する向き合い方を学び、育児や家事の基礎スキルを身につける機会となりました。
育休を取得した時の学びは記事にまとめているので、詳細はそちらに預けます。
一方、子供への愛情が育休を取ったことで強まったかというと、必ずしも断言はできません。育休を取ろうが取るまいが、子供への愛情は無限ですし、ただただ一緒にいたい存在であることは間違いないからです。
育休を取らない理由
今回の選択には3つの理由があります。私の中で重要度が高いものから順に並べてみます。
一つずつ、少しだけ解説しようと思います。
1. 育休を取らずとも育児・家事・仕事をバランスさせるチャレンジがしたい
タイトルの通りですが、育休を取らずとも、育児も家事も仕事も家族で協力してやり切ることに意味があるし、どれも妥協したくないという気持ちがあります。また、育休を取らないと育児や家事にコミットしていないのか?というとそれは明確にNoだと思います。
私自身、仕事にのめり込んでしまい家庭に迷惑をかけてしまった過去の反省も踏まえて、”仕事か家庭”ではなく、”仕事と家庭”でありたいという思いを強く持っています。育休を取らずとも家族がみんな全力で生活し、苦楽を共にすることに意味があると信じています。
2. 夫婦円満の秘訣は、完全平等にあり
前述の通り、我が家の家事と育児は完全分業制です。以前はこれがうやむやになって度々ケンカしていましたが、スパッと分けることで余計ないざこざが減りました。
今回2人目の出産となる妻は、大事な仕事を強制的に休まざるを得ない状況になります。そんな中、できるだけ育休期間を短くし、数ヶ月後には戦線復帰する方向で調整しており、私もその意思決定を尊重しています。
過去を振り返って、我が家はとにかく夫婦が平等であることが円満の秘訣だということを学んだので、それであれば自分も仕事と育児・家事の両立を妻と一緒に頑張ろうと思うようになりました。
3. 今自分が抱える仕事のミッションを全うしたい
3つ目はありきたりですが、上記2つの理由だけであれば妻が出産してから仕事復帰するまでの間は自分も育休を取るという選択肢も残っていました。
スタートアップに来て2年半、あっという間に時が流れる中で今自分が担っているミッションをちゃんと全うして、事業の成長に貢献したいという気持ちは強く、素直に自分の心と向き合うと仕事を続ける方がストレスが小さいという結論に至りました。
育休を取らないという意思決定をした自分をケアしてくれた会社
本ブログを書くきっかけをくれたのは、10XでCCOを務める中澤さん(riccha)でした。ある日DMで少し話しがしたいと声を掛けられ 1on1をした際、ricchaさんから育休の話を振られました。
「会社として育休取得率100%を対外的に発信しているけど、これが逆に育休を取らないという意思決定を邪魔していたり、嫌な気分になっていたりしないか?」という質問を受け、正直びっくりしました。
会社が発信するメッセージを社員はどう受け止め、それが不快な印象を与えていないかをここまで細かく見ているのかと、自分の会社ながら感銘を受けました。
その後、全社会議でも以下のようなメッセージが発信されており、透明性の高さは素敵だな、と思ったので参考までに貼っておきます。
最後に
威勢よく育休を取らないと宣言していますが、実際二人目が生まれてみたら状況は変わるかもしれません。
息巻いて仕事と家事・育児のバランス!両立!と宣言したものの、全然回らず「すみませんやっぱり育休取らせてください」となるかもしれませんし、妻が「もう可愛すぎてたまらないのでやっぱり1年休みます」と言い出すかもしれません。
今回の意思決定は、決して一方通行の意思決定ではないという点も重要だと思っています。そして、もしやっぱり育休を取りたいとなったとしても、会社(10X)はきっとその選択を尊重し受け入れてくれると思います。それが、中澤さんの誰でも自由に選べる選択肢があることが重要という言葉に現れているなと。
国の制度としても、今年10月1日以降、育児・介護休業法が改正され、より仕事と育児が両立しやすい環境になりました(詳細はこちら)。
とにかくやってみて、この意思決定がどうだったかはまたどこかで紹介できたらと思います。