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採用活動をはじめて変わったこと

最近、採用活動に多くの時間を使っている。

どれくらい使っているのだろう?と気になったので自分のスケジュールを集計してみたところ、直近は予定の20%以上が採用関連だった。毎日2時間弱は採用に時間を使っていることになる、なかなかだ。

自分の業務アロケーション

ふと思い返すと、前職時代は採用活動とはほぼ無縁だった。新卒で大企業に入った自分にとって、採用活動とはせいぜい新卒採用の一次面接を決められたスクリプトに沿ってやるか、学生のOB訪問を受けるくらいだった。

採用活動に本腰をいれるようになったきっかけは、去年の秋頃から10X BizDevのHiring Leadを担うようになったことであり、What's 採用活動から学びつつ進めている。

人生で初めて採用活動に真剣に取り組むようになり、気づいたことや学んだことがいくつかあるので、書き留めておこうと思う。

スタートアップの採用活動とは

まず、スタートアップの採用活動に対して大いなる誤解をしていたことに気づかされた。

それは、採用活動とは採用する側が候補者の方々を見極める(選考する)時間より、その何倍も候補者の方々が自分たちの会社に興味を持ってもらうために使う時間の方が長いことだ。

採用活動をリードし始めて間もない頃、BizDevの採用計画について会話する中でこんなやりとりがあった。

自分: 向こう1年の人員計画が決まったので、そこから逆算してこの採用計画でいきたいと思います。KPIとしては、直近半年でこれくらいの応募人数を集めたいので、そこから逆算して活動していきます
人事: 応募人数をKPIとする理由は?
自分: 応募から合格はこれまでの実績でだいたい転換率が見えているので、どれくらいの応募人数を獲得すれば良いかが見えているからだと考えました
人事: たしかに数字だけを見てたらそうかもしれないけど、候補者が応募するかどうかはその人の意思次第なので我々はコントロールできないよね。我々にできることは、候補者に十分な判断材料を渡すこと。そう意味ではカジュアル面談の数をKPIに設定するべきでは?

実際、過去5ヶ月の自分の採用活動に割いた時間を図で表すと、以下の図のようなイメージになる。

10Xのことを知って間もない方、昔からよく知ってくださっている方、キャリアに悩んでいる方など、様々なバックグラウンドの方とお話し、対話を重ねながら10Xへの興味を深めていただく。この過程こそが採用活動であり、そこには採用する側の学びの場が数多く隠れている。

採用活動で実際にやっていることのイメージ

採用活動には事業や自身への深い理解が必要

採用面接やカジュアル面談では、以下のような質問をよく受ける。

  • 10XやStailerの競争優位は何か?

  • 短中長期で事業は何を目指し、どこへ向かっていくのか?

  • プラットフォームとしての側面と個社からのカスタマイズ要求はどう折り合いをつけるのか?

  • 10X BizDevの面白さはどこにあるのか?

  • 大企業からスタートアップに入って、活躍できないリスクはどう整理をつけたのか?

  • 最後10Xを選んだ決め手は?

  • 今、何に悩んでいる?

  • スタートアップにチャレンジするというマインドセットはどんな原体験から来ているのか?

  • 10Xで活躍するためには何が必要だと思うか?

これら一つ一つの質問に対する答え次第で、候補者がより10Xに興味を持ってくれるかもしれないし、はたまた選考へ進む意思を失ってしまうかもしれない。

相手の質問の裏には何が隠れていて、どう説明すると一番伝わりやすいかを考えながら会話を組み立てるのはとても難しい。

ただ、こうして鋭い質問を受けるたび、自分の考えを整理する機会が生まれ、少しずつ発言が研がれていく感覚がある。これは、BizDevとしてパートナー企業と対面する際にも非常に役に立っており、事業と採用は繋がっているなぁと感じている。

聞かれた質問は全て書き出し、うまく答えられなかった質問に対する回答は文字に起こすようにしている。これにより、「会社のカルチャーや事業について自分の言葉で伝える力」や「自分のキャリアや人生観について説明する力」が少しずつ磨かれている気がする。

採用は貴重なインプットソースである

採用活動で候補者の方と話す時間は、1) その方を選考する、2) その方に10Xへの興味を深めていただく、に加え、3) 自分にとって新たな発見がある場であるべきだと思う。

面談前に相手のことを可能な限り調べておくことで、「この人にはこんなことを聞いてみよう」というイメージが膨らむ。それを実際にぶつけることで新たな気づきや学びを得られることが多々ある。

例えば、最近大企業からスタートアップへの転職を考えている方から「大企業からスタートアップにチャレンジする人/した人のコミュニティがあったら、もっと業界横断の人材流動が活発になるのでは」という示唆をいただいたり、以前生協で働かれていた方から「ネットスーパーがもっと世の中に拡がるために商品軸で〇〇や××を試すべきでは」という意見をいただいた。

採用面談を通じて、新しい事業の広がりの可能性が見えたり、自分が思ってもいなかった価値観を持つ人に出会って考えさせられたり、これ自体がものすごく貴重な体験であり、採用という形で同じ目的に向かっている人同士が話すことによって生まれる化学反応みたいなものだと感じている。

また、面談に向けてしっかり準備することは、結果的に選考やアトラクトにもプラスに働くケースが多いという学びもあった。
相手の得意領域について質問することで、その人の逆算性や自律性を垣間見ることができるし、相手に「この人は自分のことを事前に調べてくれている」と思ってもらうことでポジティブな印象を与えられる。

まとめ

採用活動とは、応募してくださった方を面接し合否を出すことだけが目的ではなく、候補者の方に

  • 会社のカルチャーやValueを理解してもらい

  • 事業の魅力や未来に興味をもってもらい

  • 人として一緒に働きたいと思ってもらう

ことだと、ここ数ヶ月の採用活動を通じて理解した。そして、その過程で自分自身が学び、大きくなれる機会なんだなと。
この初心を忘れずに、今後も採用活動には積極的かつ誠意を持って取り組んでいきたい。

10X BizDevは絶賛採用中なので、少しでも興味のある方はカジュアルにお話するところから始められると嬉しいです。

BizDevのことを簡単に理解してもらいたいという意図で、BizDevの採用資料も作ったのでチラ見してもらえたら嬉しいです。


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