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2歳半の娘とスタートアップで働く父のお話

わが家の娘は昨日で生後30ヶ月を迎えた。ふと、2歳半は月齢で見ても節目だということに気づき、せっかくなので最近思っていることを書き留めておこうと思い筆を進めている。

2歳半の娘は、もう赤ちゃんと呼ぶにはデカイし重いし生意気(92cm 16.2kgなので特にデカい、ペラペラ喋る、良く歌う)で、子供と呼ぶには幼稚すぎる(オムツだし、何でもヤダヤダだし、一人じゃ寝れない)、ただそれが絶妙に愛おしい月齢だ。

2歳を過ぎたあたりから、子供は一気に感受性が豊かになる。言葉を理解し、自分の意思を伝えられるようになる。好き嫌いがはっきりするし、ものすごくよく周りを観察している。

最近、そんな娘の言動からスタートアップで働く難しさについて考えさせられることがあった。

僕は29歳で新卒から7年勤めた総合商社を辞めて、当時社員10数名の10Xに入社した。入社後1年半で社員は3倍以上になり、事業はダイナミックなスピードで拡大、自分自身もチャレンジングな環境で仕事ができており、とても満足&充実している。

一方、実は知らぬ間にこれまでとは違う形で家族へ負担をかけてしまっていたことが最近発覚した。

商社時代は、週3回は夜の飲み会があり、帰宅は早くても23時というのが当たり前の生活の中で、家族の不満は家事・育児へのコミットが足りないことや、家族と一緒に過ごす時間が少ないといった量的なものが大半だった。

逆に10Xへ転職してからは、商社時代に比べて労働時間は短くなっているし、コロナ禍もあり夜飲み歩くこともパタっとなくなった。

我が家は妻もフルタイムで働いているので、週2回は自分がお迎え→夕食作り→お風呂→ご飯→寝かしつけを完全にワンオペでやっており、週末は娘をプールにも連れて行ったりもしているので量的貢献度は前よりも上がっている。

では、いったいなぜ家族に負担をかけてしまっているのか?その答えは僕自身のマインドシェア・コントロールに起因するところが大きい。

ある日妻から

最近あなたは家族と一緒にいても心ここに在らずで、常に別のことを考えている感じがする

と言われてハッとした。

振り返ってみると、今年に入ってから会社にとっても最も重要な案件の一つを任され、常に緊張状態の中で強いオーナーシップを持って働いていることで、充実感がある反面僕のマインドシェアのほとんどが仕事に奪われている状態になってしまっていた。

常にどこかで仕事のことを考えているから、妻が話していることへのレスポンスも悪かったり、休みを使って家族で何かしようということを逆算して考える余裕がなかったり、ちょっとした部分で家族にストレスを与えてしまっていたのだ。

これが冒頭で書いたスタートアップで働く難しさに繋がる。一人のビジネスパーソンとしてとても貴重な経験をしている一方、意識的に自分のマインドシェアをコントロールしなければ、仕事にどんどんのめり込んでいくことによる犠牲もあるのだということを学んだ。

娘が最近、何も無いところでいきなり痛いと泣き出すことがあるなーと思っていたら、それは大抵の場合、自分が娘の相手をしている最中に緊急対応の連絡が入って会話が途切れてしまう時に起こるのだと気づいたり、、、

妻が「トト(僕)は仕事だから」と言うとイヤイヤ期真盛りの娘でもスッと引き下がるので、最初は「聞き分けが良いこと」と思っていたが、ただその代償として仕事を優先した直後は大抵「トト嫌だ」と言って相手にしてもらえなかったりする。

それもこれも、娘はよく周りを観察し、僕が放つ切迫感のようなものを感じ取りつつ、自分が二の次にされていることに対して最大限の抵抗を見せているのだと思う。

この一連のできごとをきっかけに、改めて10Xの家族を大切にするカルチャーの重要さに改めて気づかされ、実は僕自身がこのカルチャーに助けられていたことを実感している。良い機会なので、10Xの家族を大切にするカルチャーが垣間見えるエピソードをいくつか紹介したいと思う。

◆ 家族の時間を後押しする雰囲気
家族行事があるときのメンバーからのリアクション。社員のお休みを積極的に後押しする雰囲気があって、ほっこりするスタンプまで押してくれる。休みを取る方も気持ちよく取れる文化があるのが良いなと思う。

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◆ 家事・育児の完全分業制
10XでCSを担当する濱坂さんも2歳のお子さんがいらっしゃるママでありながら、10Xでいつも高いパフォーマンスを発揮されている。ある日、夫婦間の家事・育児分担について相談したとき、

ウチは週2で旦那がお迎えからワンオペ、私が週3。その代わり、保育園の送り(行き)は基本旦那の担当。こうやって分ければ、担当じゃない日の夜は仕事だろうが会食だろうが自由にやって良いのでうまく回っているよ

と教えてもらい、以来我が家でもそれを丸っとコピーさせてもらっている。

◆ 17時にスパッと仕事を切り上る習慣
10Xでは創業当初から多くの人が17時には仕事を切り上げる習慣があり、それは今でも根付いている(就業時間は10-19時)。

実際、17時以降に打ち合わせが入ることは稀だし、代表の矢本さんのカレンダーにも17時以降は「お迎え」や「ワンオペ」といった予定が並んでいる。

日中に高密度かつ高集中力で働くと、17時くらいには疲れ果てるよね、というのが実態だと思っていて、自分も少なくともワンオペをやる曜日は17時過ぎにスパッと仕事を切り上げるようにしている(物理的にPCを閉じるだけじゃなく、マインドシェアも切り替えることが今のチャレンジ)。

さいごに

ある日、保育園より「親子ピクニックのご案内」が届いた。担当プロジェクトの定例ミーティングがある金曜の午前中、お休みをいただき、携帯の通知をOFFにして、お弁当を作って秋晴れの公園へ娘と2人で出かけた(妻は出張で参加できず)。

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たった正味2時間、いつもは3時間以上の定例会議をやっている時間に娘と向き合えたその時間は、マインドシェアを100%娘に向けてみた。

娘が心の底から楽しんでいる姿を見て、きっと娘には自分のマインドシェアが見透かせるんだな、と感じてなんだか胸が熱くなった。

どんな環境で働いていてもしっかりON/OFFを切り替えられる人が本物のプロフェッショナルであり、自分はまだまだだなと感じている。ただ、そのことに気づかせてくれたのは生後30ヶ月の娘なので、その存在に感謝しなくてはいけないと思っている。


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