切磋琢磨
練習は本当に辛かった。
厳しい上下関係。
休みもない。
ご飯も喉を通らない。
熾烈なレギュラー争い。
そんなすべてを乗り越えて、高校3年生の最後の大会では甲子園大会に出場。補欠だったがベンチ入り。
1点差で負けていた最終回、ノーアウトでランナーが出塁。追いつくチャンスの場面。
この大事な場面でバッターボックスへ。
頭が真っ白になった。
結果は空振り三振。
試合終了。
ベンチ裏での仲間は「3年間の苦しい思いからの解放」または「甲子園大会出場への満足感」の中、私は一人泣いていた。
今思えば、「私のせいで負けた」という思い上がりに過ぎないと思うがその時は涙が止まらなかった。
隣に座っていた仲間が私の膝を2回「トントン」と叩いた。
言葉はない。
でもその中には「お前のせいじゃない」「お前が頑張ってきたのを俺は知っている」という想いが込められていると感じとった。
仲間っていうのは言葉がなくても気持ちが通ずる。
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社会人になった今、この経験は私の人生の中で大きな価値として残っている。
仕事がきつい?→練習のきつさに比べれば・・
人間関係がうまくいかない?→上下関係の厳しさに比べれば・・
休みがほしい?→練習に休みはなかった・・
本当の仲間とは共に切磋琢磨できた人との繋がり
人との繋がりで生かされている
一つ一つの行動の意味
努力の大切さ
継続力の偉大さ
助け合う気持ち
本当の優しさ
高校野球には授業では教えてもらえない事を沢山教えてもらった。
それを今度は私に関わっている人に少しでも伝えて行ければと思う。
どんな事でも一生懸命努力している人にはその中に大きな価値が生まれる。
その価値は人から評価される価値ではない。
自分が自分自身を認める「確固たる価値」だと私は思う。
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