読ブログ子に寄す
——いろい録発信に際して—— 酒井勉
元号は平成から令和へ、西暦は10年代から20年代へ変わった。変わったのは時の流れだけでは無い。人々の生活環境も大きく変化するようになった。かつて一般の人々は言論もしくは表現の手段を保持していなかった。それを持っている者、所謂知識人から一方的に受け取らざるを得なかった。つまり知識と美の特権階級の独占が起こっていた。戦後、各人が自由に思想をもち、表現することが制限されることなく憲法で保障されるようになり、さらにインターネットやSNSの普及による影響で、個人個人が思ったことを発信し易い時代となった。このときにあたって、酒井総合研究所は自己の責務のいよいよ重大なるを思い、すでに1年前より志して来た計画を慎重審議この際断然実行することにした。文芸・哲学・社会科学・自然科学等のいかんを問わず、当ブログをいろい録と命名し、発信することにした。今月、オリンピック・パラリンピックが東京で開催される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期となった。見当つかずの世の中、我々の暮らしを見つめ直し、発信してゆく機会なのかもしれない。
令和2年7月
岩波文庫の最後に載っている「読書子に寄す」の部分、昭和2年7月を令和2年7月の視点で置き換えて執筆してみました。初めてのブログ記事を投稿します。拙い文章でありますが、皆様よろしくお願いいたします。