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インド料理屋で思う、世界で唯一の「気候のタイムマシン」

 昨日、近所のインド料理屋でランチを食べながら、「もし狩猟採集生活になったら、このナンは食べられなくなっちゃうな」と、ふと思った考察です。 

 環境に対する意識が高い人でも、意外と知らないのですが、福井県若狭湾岸の景勝地、三方五湖のひとつである「水月湖」は、世界的に有名な奇跡の湖です。水月湖がなぜ奇跡かと言えば、詳細は割愛しますが、この湖底の、年縞堆積物の放射性炭素年代測定から気候変動の歴史が分かる、世界で唯一の「気候のタイムマシン」だからなのです。

 水月湖の湖底には「年縞」と呼ばれる規則正しい堆積物の層が蓄積されています。1年にたまる地層はおよそ0.7㎜。湖底には厚さにして45m、時間にして7万年分の年縞がたまっているのです。
 それによると、温暖な気候はほぼ10万年周期で繰り返されており、同様に「氷期」も10万年ごとに繰り返しているのだとされます。現代は、周期的にはすでに氷期に入っていてもおかしくない時期なのですが、近年100年(1900年~)くらいで見ると、年平均気温は1℃ほど上昇しています。
 これは、たかが1℃ではありませんよ。東京は宮崎になったといえるのです。近年、「地球温暖化」と巷で叫ばれていますが、10万年単位で鳥瞰すれば、人類の急激な人口増によって人為的に温暖化が引き起こされ、氷期を先送りしているという見方もできるのです。

 氷期が終わって気候が安定してから、現在まですでに16000年もの月日が流れています。過去3回の温暖な時代は、長くても数千年しか持続せずに終わりを迎えています。つまり、今の温暖期は例外的に長く続いているのです。もちろん例外がないともいえないでしょう。しかし、もしかすると人類が気候激変の引き金を引く可能性が高いのです。
 では、気候が激変すると何が起こるのか。それが「相転移」です。具体的には、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change)によれば今後の100年間で5度程度の気温上昇を予想しています。しかし、過去にあった相転移から考えられる変化は、農耕社会から狩猟採集社会への変化や、映画「デイ・アフター・トゥモロー」に近いことが起こる可能性があるのです。

 今食べているこの「ナン」。カレーも何もつけなくてもおいしいんですよね。もちもちの食感と適度な焦げ目がしなやかさと調和しています。でも小麦が輸入されなくなれば食べれません。それと同じで、私たちの今ある生活は、微妙なバランスの上に成り立っている、じつに危ういものなのです。 

では、続きはまたの機会に。

#地球 #温暖化#環境破壊#SDGs#経営#マーケティング#福井県

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