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新年に「幸福度」を考えよう

本題に入る前に、まずはこれを見ていただきたい。

これは「世界幸福度ランキング2024年度」のデータであるが、

※日本51位、韓国52位、中国93位、ブータン95位など
※この調査は、「一人当たりGDP」「社会的支援」「健康寿命」「人生における自由度」「寛容さ」「社会の非腐敗度」の総合評価

World Happiness Report 2024


日本は表外の51位であり、毎年後退している。


有名な話だが、日本はこれだけの先進国でありながら、国民の半数以上が「自分は幸せ」だと思っていない。

日本以外のG7の国々は高い幸福度にいるため、経済的な豊かさとの相関が理解できる。また、いつも上位の北欧諸国については、地政学的に共産圏に近いことや国民の多額の社会保障負担に対する見返りがあるという、政府に対する国民の信頼の評価であると理解できる。また、ブータンの急落や韓国や中国もほぼ日本と同じ水準の幸福度なところも興味深い。


なぜ日本の幸福度がそれほど高くないのだろうか。

何といっても、低成長時代にいるため生活の豊かさを実感できないことが大きいだろう。それから社会保障制度や公的支援制度の低迷感。官僚や政治家による裏金問題やコンプライアンス問題などによる腐敗感などが理由として挙げられるだろう。
つまり、国を信用できないのである。

「幸福度」とは、国家に対する信用度が高い国は総じて高いが、そうでない国では低いという見方もでき、残念ながら日本はそちらだということかもしれない。

加えて、日本には「イエ制度」の崩壊という特殊な事情があるように思う。

結婚しない人生を選択をすること、晩婚化や少子化も「イエ制度」から個人主義へのパラダイム転換の渦中であるともいえる。
そもそも日本人は、よく言われるように、欧米の「個人主義」と比較して「集団主義」だとは一概にいえないことが研究から明らかになっているが、日本を含む先進諸国で「 個人化 individualization」が進行 し、各分野で極めて緊要な分析上の問題解決が求められる課題となっている。
こうした「個人化」の時代は、一 方で、「 こころの時代」「自分探しの時代」ともいわれており、行きすぎた個人化傾向は、人間関係の希薄化をもたらすことも問題とされている。

日本人がもっている人間観は、自己主張することよりも他者とのかかわりを大切にする「和」を尊重する人間観であった。行動の判断基準は「世間体」であった。日本における個人化は、こうした世間体からの解放を意味することになるが、それは同時に自分の行動をコントロールする基準を失うことを意味する。こうした日本人が、西欧の真似事をして個人、個人といっているとどういうことになるであろうか。

「幸福感」というのはどうしても相対的になりやすいものだが、宗教観をベースとしない「自由」と「放埓」の勘違いは、感謝を忘れた「わがままな大人」の足の引っ張り合いに発展しやすい。
日本には、インターネットの世界が新たな「世間」だと勘違いしている人達がいる。今騒いでいる彼らこそが、その現象の一面と言えるのではないだろうか。


いくらネット上で「自分探し」をしても見つかるわけがないのに。





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