疫病の頃
夢は起きて直ぐ 忘れないように
頭を動かさずに書き留めるものだ
いつ迄も夢を見てたら遅刻するよ
早く支度して家を出る
しかしなんと外では疫病が蔓延
駅にも疫病 店にも疫病
目に見えへんもんに
おびえくさって 肝試しか
ビルを墓に見立てる滑稽も
結構なお手前で
茶碗をまわす手は洗ったのか洗っていないのか
いまはそれが問題だ
山は動かない
花も動かない
でも花は花を介して
タネを宿してまた花になり旅をする
花は山になる
山は花のことで
すると山は動く事になります
不動なる不道徳よ
立ち飲み屋のおっさんよ
花屋のおばはんよ
たこ焼き屋にたまたま集え
受粉 受粉 うっふん
そして 神は光の中で踊った
その光は誰が照らした光なのか
神は踊り疲れた
わたしたちより疲れているのか
兄は弟に言った
たぶんね
弟が兄に言った
「たぶん」なんて意味がない
(2020/05/03)