【TCP2022授賞式】TCPのゴールと映画製作のスタート
TCP2022年度の映画化される企画が、ついに決定しました。2022年の5月末に応募締め切りでしたので、審査の完了までざっくり10か月。なかなかに長期間ですね…
一次、二次、最終と審査を重ねて、現役映画プロデューサーからのフィードバックを反映しブラッシュアップする機会も途中にあったりしますが、映画の製作を進めるかどうかを判断するには、やはりそれ程までに時間を要するということです。
ジャンルこそ違いますが、公式ライターである筆者も企画書を作成することがあるので、最終審査まで進んだ方々の、長期間に及ぶ緊張感の持続は想像するだけで痺れます。そして実際は想像を超えるでしょう。
当然、受賞者の皆さんは審査中、緊張し引き締まった真剣な表情をされていたのですが、授賞式では一転とても良い笑顔。「この人の笑顔初めて見たな」と映画のワンシーンみたいなことを心の中で感じていました。
さて、TCPでは受賞が決まってからが本番、映画製作のスタートになります。これまで受賞者が自力で磨いてきた企画を、ここからは実際の製作陣・スタッフと一緒になり、試行錯誤、ブラッシュアップを重ね、劇場で公開されるというわけです。「ブラッシュアップ」、私の好きな言葉です。
そこで、受賞が決まった今このタイミングの企画概要を知っておくと、完成品を観た時に、企画初期段階から「何がどう変わったのか」を感じられて、より作品を面白く体験できるのではないかと私は考えます。
受賞作品の”現段階”での企画は下記のような内容です。
ポイントは、劇場公開が数年後になるということ。
今の流行を映画の企画に反映しても公開時にそれは古いものになってしまう。そうならないよう、映画に込めるメッセージは普遍的なものでなくてはなりません。
同時に、トレンドや考え方は時代と共に変遷するものです。数年後の映画のトレンドがどうなっているかは分かりませんが、たくさんのお客さんに観てもらうための時代に合わせた工夫と変化も必要になるでしょう。
では、今の企画内容から「何が変わり、何が変わらない」のか。ここに着目して今回の受賞作品を劇場で観ることは、作品のみならず、作品を超えた映画全体の変容をも感じられるという楽しみを持っているのではないでしょうか。そしてそれができるのは、現段階の内容を把握している、読者の皆さんを含めた私たちの特権です。
授賞式では、スぺシャルプレゼンターである菊地凛子さんから、監督部門グランプリ受賞の竹中貞人さんに「私にも役を作ってください!」と呼びかけ「即座に…!」と答えるような一幕もありました。
こういう会場に笑いが起こるような現場のフランクなやり取りからも、ふいに映画って面白くなるんだろうなとイチ映画ファンとして想像を膨らまさずにはいられません。いやあ、映画って本当にいいもんですね。
最後に。
今年度のTCPに一区切りがついたことで、TCP公式ライターとしての勤めも一旦ここで終幕となります。TCPに参加されている方、興味がある方、映画好きな方の少しでも映画を楽しむ一助となれたなら嬉しいです。映画を好きでい続ければ、またどこかでお目にかかれるかもしれません。私も映画の知見と文章力をさらに磨いてまいります。それでは、アスタ・ラ・ビスタ、ベイビー!
(文:芦田央(DJ GANDHI))