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絞り着物の魅力とはꕥ
伝統工芸青山スクエアにて『京鹿の子絞』伝統工芸士高橋庸子様による「括り工程」の実演を拝見してまいりました!
指先と絹糸だけを使って括る「疋田絞」
絞り目を一粒ずつ絹糸で三回または七回括り、小さな絞り模様の集合で模様を構成します。絞り技法のなかでも、もっとも技術力と時間を要します。
絞りの技はいろいろ。その中でも高橋様のお母様と高橋様が担い手として持つ技法が「一目絞」です!
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「一目絞」
下絵の線上にある絞り目を絹糸で二回巻き締めて括り、一寸の長さに十三粒から十五粒ほどの絞り目を作って線柄を表現する、いわば鹿の子絞りで線柄を描く技法です。
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2020年のInstagram、私はこう記している📝
松たか子さんアカデミー賞レッドカーペットのお着物は、本疋田(ほんびった)鹿の子総絞りの訪問着であると報道で知りました。※鹿の子絞りとは小さな絞りの粒が小鹿の背の斑点に似ていることから生まれたそうです
改めて松たか子さんの衣装について検索したところ、大変詳しい解説記事に出会ったのでご紹介させて頂きます。
総絞りの着物のラグジュアリー
アカデミー賞で着るとしたら友禅の華やかな訪問着でも構いませんし、格調の高い色留袖などでも良かったかも知れません。それでも一見すると控えめな総絞りを選ばれたという点にも注目してみましょう。総絞りの振袖にくくられた粒は20万粒とも言われます。松たか子さんのお着物は訪問着ですから、袖が短い分15万粒といったところでしょうか。それでも完成までには1年半ほどかかるようです。
絞りの着物は、時間と手間ひまがかかる。でも決して派手ではなくお人柄が見える着物。京ごふくニ十八様は、こう締めくくります。
誰が何を着ても、それが注目されてしまえば全員の賛成を得るのは無理ですが、それでも8〜9割の日本人に「素敵だったよね」と言ってもらえている松たか子さんの装いはすごいなと思います。
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私も産地は分かりませんが、絞りの着物を持っています。そして着ていると必ず声をかけられます。「総絞りですね!」
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この着物は、ツアコン時代にクルーズツアーでお客様だった80代のおばあ様から頂いたものです。
他のお客様との歩くペースを気にされ、ギリシアのサントリーニ島は船に残りますと仰った。サントリーニは絶対に見て頂きたい寄港地なので「一緒に下船しましょう」とお誘いしました。エーゲ海の青と白壁の町並みを一望出来る場所まで辿り着いた時、おばあ様の目が涙で潤んでいたこと、今でも忘れられません。
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日本へ帰国後、どうしてもお礼がしたいということで譲り受けたお着物と羽織。背の高い私には裄丈も短めなのですが、是非着て下さいと仰って頂き、可愛いらしいおばあ様を思い出しながら今も大切に着ております☺️
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