【ZINEの解剖】内容解説・前編
「蔦まみれのススメ2024」の中身を紹介したいと思います。
長くなりそうなので、前半・後半に分けてご紹介します。
全体の目的としては「ここ最近の活動をまとめること」と「蔦まみれ建築の魅力を伝えること」です。
それでは各特集について説明していきます。
【特集1】西日本 蔦まみれ行脚
フリーペーパーでやってる企画の拡大版です。
西日本の蔦まみれが少し貯まったのでまとめました。
まだ5県しか集められてないのですが、いつかは全県制覇するつもりです。
探してて思ったのは、京都の中心地は古い建物はたくさんあるけど、蔦まみれが少ない。ちゃんと景観を整えているからでしょうか。整ったものが多い印象でした。
あとは、壊されて更地になってたことも多かったです。亀岡の方まで行って収穫ゼロだったこともありました。
逆に、神戸はたくさんありました。異国情緒に合っているから街の装飾として残されやすいのかもしれない。
【特集2】都市の静脈
枯れたツルの蔦まみれ建築=クサリ型を集めた、「都市の静脈」シリーズ。
撮ってた写真を眺めてたら
「枯れた蔦って血管に見えるなぁ。あれ?無機質なビルに有機的な血管が通ってるって捉えるの、逆説的でかっこ良くね?」
って思ったのがこの企画の始まりです。
葉がついてるとその量とかに目が行きがちですが、蔓が生む曲線も本当に美しい。
止まってるんだけど勢いがある感じとか、壁の障害物でできる模様とかも良い。
もう少し集めてこのテーマで写真集作るのも良いなと思いました。
"photo by Shin Tsuruno"って書いてありますが、すべて蔦井が撮ったものです。後々出てくるものと世界観を合わせるためにこうしました。
…だって色んな人が寄稿してる方が本物の雑誌っぽいじゃないですか。
余談ですが、英語で蔓は「vain」。
そしてなんと静脈は「vein」。
一字違いなのを知って、この2つには何かしら繋がるものがあるのでは?と思いました。
【特集3】Summer/Winter ー夏の顔 冬の顔ー
同じ蔦まみれ建築の夏の姿と冬の姿を並べて、季節ごとでの状態の変化から生まれる印象の違いを比較してみました。
物事というのは、ある一面から見れば「善」だったり「ポジティブ」に見えたとしても、他の面から見れば「悪」だったり「ネガティブ」にも見える。
正反対な要素を常に持ち合わせていて、常にその2つを彷徨っている。
善悪や白黒はっきり付けたがる世の中ですが、物事はそう簡単には分けられない。
蔦まみれ建築はその曖昧さも伝えてくれるような気がします。
この企画のために、以前行った場所にもう一度訪れてみるということをしてみたのですが、無くなってた蔦まみれ建築も多くて。
まあ、そんないつか消えてしまう儚いところも魅力的なんですけどね。
メイン特集はこの3つになります。
後半に続きます。