ネーミングの話
私の活動に多用している「蔦まみれ建築」と「All covered with Ivy」。
これら2つの名前には少々こだわりがあります。
今回はそれについて語らせていただきます。
蔦まみれ建築
「〜だらけ」や「〜みどろ」など、何かがたくさんある状態を表す言葉はいくつか存在します。
その中でも「まみれ」という言葉を選んだのは、
まず、漢字だと「塗れ」書くように、「一面にたくさんついている状態」を表しているのが、蔦でびっしり覆われた建物を指すのにふさわしいと思ったのです。
また、ちょっとネガティブなニュアンスも含んでいるところも合っていると思いました。
辞書で「まみれ」の意味を調べると、以下のように書いてあります。
蔦や蔦まみれ建築は汚いものだと思ってないので、それに対しては少しずれがあるのですが(昨今「〜まみれ」はお菓子の名前にも使われているくらいだから汚いという意味は薄れている?)、まみれている状態が必ずしも良いことではないという点は合致すると思いました。
蔦まみれ建築には、人間の生活に支障をきたさないよう手入れがされ、環境美化として成立しているものもありますが、中にはもう手に負えないくらい蔦が侵食してて、植物の脅威を感じるような印象のものもあります。
蔦はちゃんと管理しないと困る存在にもなり得るということです。
そして蔦の真髄はこのネガティブな面にあり、「まみれ」はそれを表す言葉だと思いました。
また、主観ですが「まみれている」というと、意図的にそうなったのではなく、いつの間にかそうなってしまったような感じがあり、それも合っているなと。
このような考えがあり、最終的に蔦“まみれ”建築と呼ぶことにしました。
All covered with Ivy
Tumblrのサイト名などに使っている「All covered with Ivy」。
私は「All covered with Ivy」=「蔦まみれ建築」の英名と考えています。
しかし「蔦まみれ建築」の直訳は「Buildings covered with Ivy」です。
じゃあ、なぜ「All」なのか。
一度、蔦まみれ建築の存在を知ると、自分の目によく引っ掛かるようになります。
眼球に蔦まみれ建築センサーが搭載され、気付くようになってしまうのです。
私も蔦まみれ建築の魅力に取り憑かれた日から、蔦まみれ建築ばっかり探す癖がついてしまいました。
歩いてて緑が少しでも見えるとそちらを見てしまいます。
SNSの投稿やドラマを見てる際にも、映ると「蔦だ!!」と反応してしまいます。
このように、蔦まみれ建築の存在は、建物だけでなくそれらを越えてこちらまで侵食するものだと思い、「All」を採用しました。
観察センサー
ちょっと話は外れますが、目にセンサーが搭載される現象は、蔦まみれ建築に限らず路上観察系に共通して起こることだと思います。
SNSを見ていると、さまざまなテーマで写真を撮り集めている方々がいますが、色々なテーマや視点があって面白いし、どこにあるかわからないそれらを見つける収集力にびっくりさせられます。
私もそのアカウントを見た影響で、思わず探してしまうようになったものがいくつもあります。
以上、ネーミングについてでした。
言葉にはいろいろな意味を込められるので、ついついこだわって考えてしまいますね。